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おうち時間
第3章 キッチンで
仕事帰り、由佳は何の気無しにSNSを開くと、大学時代の友人から2人目の子どもを出産した、という投稿が流れてきた。
コメント欄はお祝いの言葉で賑わっている。
(子ども、か…)
沈んだ気持ちでいいねボタンを押し、スマホを鞄にしまう。
家に帰ると、部屋の中はしんと静まりかえっていた。
「ただいまー」
声をかけても返事がない。
自宅で仕事をしているはずの夫・健人は外出しているようだった。
寝室に鞄を置き、すぐに風呂の準備をする。
(今日は、ちょっといい入浴剤使っちゃおうかな…)
着替えを取りに行った時、ふと、引き出しの奥にしまい込んでいた下着のことを思い出した。
黒の繊細なレースで作られたそれを、そっと取り出す。
(こんなの買ってくれて、盛り上がったりしてたのになあ…)
苦い過去を思い出し、溜息をひとつ。
その下着は夫からのプレゼントだ。
一度だけ身につけ、それはそれは熱い夜となった。
けれども、それっきり、ずっとしまい込んだままだった。
久しぶりに取り出して、少し、身体が疼く。
(どうせ、何付けてるかなんて分からないんだし…)
由香はその下着を着替えと一緒に持って風呂場へと向かった。
コメント欄はお祝いの言葉で賑わっている。
(子ども、か…)
沈んだ気持ちでいいねボタンを押し、スマホを鞄にしまう。
家に帰ると、部屋の中はしんと静まりかえっていた。
「ただいまー」
声をかけても返事がない。
自宅で仕事をしているはずの夫・健人は外出しているようだった。
寝室に鞄を置き、すぐに風呂の準備をする。
(今日は、ちょっといい入浴剤使っちゃおうかな…)
着替えを取りに行った時、ふと、引き出しの奥にしまい込んでいた下着のことを思い出した。
黒の繊細なレースで作られたそれを、そっと取り出す。
(こんなの買ってくれて、盛り上がったりしてたのになあ…)
苦い過去を思い出し、溜息をひとつ。
その下着は夫からのプレゼントだ。
一度だけ身につけ、それはそれは熱い夜となった。
けれども、それっきり、ずっとしまい込んだままだった。
久しぶりに取り出して、少し、身体が疼く。
(どうせ、何付けてるかなんて分からないんだし…)
由香はその下着を着替えと一緒に持って風呂場へと向かった。