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おうち時間
第1章 ベランダで
「わあっ、見て、たっちゃん、雲が飛行船みたい!」
引っ越しの荷物を片付けていた夏海が楽しそうな声で達哉を呼んだ。
7階のベランダからは、街が一望出来る。
透き通るような青い空に浮かぶ雲は、輪郭がくっきりとして、まるで映画でも見ているような景色だ。
「さっさと片付けないと日が暮れるぞ」
そう言いつつも、夏海の、名前に違わないキラキラとした笑顔に負けて、達哉も一緒になってベランダへ出る。
達哉は、どうにも、幼馴染で、恋人の、この輝くような笑顔に敵わないのだ。
そろそろ夏本番の暑さがやって来そうな、心地良い陽気だ。
「ね、ちょっと休憩しよー?さっき、サイダー買ってきたの」
夏海が達哉の横をすり抜けて、冷蔵庫へと走る。
達哉がぼんやりと外を眺めていると、おまたせ、と声をかけられるのと同時にシャツが捲られ、冷たい缶を素肌にくっつけられた。
「つ…っ!つめた…っ、な、夏海!なにすんだよ…」
「たっちゃんがぼんやりしてるからー」
プシッと小気味良い音を立てて、夏海が缶を開ける。
サイダーを飲んで動く白い喉に、達哉の目は釘付けになった。
「なあに?」
視線に気付いた夏海が小首を傾げる。
ちょっとした仕草にあどけなさが出る。
化粧っ気の無い、桜色の薄い唇に、達哉はふと、自分の唇を重ねた。
引っ越しの荷物を片付けていた夏海が楽しそうな声で達哉を呼んだ。
7階のベランダからは、街が一望出来る。
透き通るような青い空に浮かぶ雲は、輪郭がくっきりとして、まるで映画でも見ているような景色だ。
「さっさと片付けないと日が暮れるぞ」
そう言いつつも、夏海の、名前に違わないキラキラとした笑顔に負けて、達哉も一緒になってベランダへ出る。
達哉は、どうにも、幼馴染で、恋人の、この輝くような笑顔に敵わないのだ。
そろそろ夏本番の暑さがやって来そうな、心地良い陽気だ。
「ね、ちょっと休憩しよー?さっき、サイダー買ってきたの」
夏海が達哉の横をすり抜けて、冷蔵庫へと走る。
達哉がぼんやりと外を眺めていると、おまたせ、と声をかけられるのと同時にシャツが捲られ、冷たい缶を素肌にくっつけられた。
「つ…っ!つめた…っ、な、夏海!なにすんだよ…」
「たっちゃんがぼんやりしてるからー」
プシッと小気味良い音を立てて、夏海が缶を開ける。
サイダーを飲んで動く白い喉に、達哉の目は釘付けになった。
「なあに?」
視線に気付いた夏海が小首を傾げる。
ちょっとした仕草にあどけなさが出る。
化粧っ気の無い、桜色の薄い唇に、達哉はふと、自分の唇を重ねた。