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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 21 嬉しかった…

 ああ、美冴さん…

 僕はそんな美冴さんの言葉に…

 その言葉の裏から感じる優しさに…

 感動をしていたのである。

 本来ならば、いや、下手をしたらこの僕の行動は…

 美冴さんを追い求めて駒沢大学に進学をし、昔と同じチェーン店のファミレスでバイトを続け、そして大学の近くの街に住んでいる…

 これは、美冴さんを追い続けている男の、そう、僕のストーカー行為と思われても仕方ない事だと考えられるのである。

 それなのに…

 それなのに、美冴さんを探し過ぎて貴重な大学生活を…

 貴重な青春の時間を…

 無駄にしてちゃっていたのではないのか…
 と、心配までしてくれていたのだ。

 ああ、美冴さん…

 僕はその優しさに感動し、心を震わせていた。

「だって、この大学生活の四年間、いや、三年半になるか…
 ずうっとわたしを探してくれていたんでしょう…」
 美冴さんはしみじみと言ってきたのである。

「は、はい、ごめんなさい…」

「えっ、なんで和哉が謝るのよ…」

「だって…
 だって…、まるでストーカー行為みたいじゃないですか…
 三年半も、いや、あれからだから五年間も探していたんですよっ…
 気持ち悪くないんですかっ…」
 僕は思わず、一気に云ってしまったのだ。

「ううん、気持ち悪くなんかないわよ…」

 だって…

 だって…

 和哉のことが大好きだから…

 大好きな和哉にずうっと探してもらっていたって分かった時に、凄く嬉しかったわ…
 と、美冴さんはそう言ってくれたのである。

「あのファミレスで、夜中に再会した時は、本当に驚いてしまって…
 思わず逃げちゃったけど…
 夜中に一人であの再会のことの意味を考えて、その意味が分かった時に本当に嬉しかったのよ…」
 と、云ってくれたのだ。


 いや、嬉しいのは僕の方である…

 まさか、こうまで歓迎されるとは思ってもいなかった…

 本当は一つ間違えたら、下手したら、絶対にストーカー行為と云われてしまい気持ち悪がられる、とまで危惧していたのである。

 だが、美冴さんは
『嬉しい…』
 と、まで、云ってくれるのだ。


 本当に再会できてよかった…

 僕は心からそう想い、感動していたのである。


 よかった…と。





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