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シャイニーストッキング
第1章  和哉
 11 美冴 ①

 「あっ…」
 
 美冴が更衣室のドアをノックもせずに開けると和哉は驚いた様子で慌てて立ち上がった、そして手には丸まった茶色のモノを持っていた。
 
 「ふーん、やっぱりねぇ…」
 美冴はその和哉の手にあるモノを見つめ妖しく瞳を輝かせてそう呟く。

 「えっあっ、やっぱりって…」
 和哉は紅潮ししどろもどろになっていた、そして悪戯を見つかった時のようにドキドキし、絶望感がこみ上げ、冷や汗が額に噴き出し手が震えてきていた。

 「和哉くんの手にあるそれってなぁに」
 「あっ、い、いや、違うんです…」
 「違うってぇなぁにぃ」
 美冴は悪戯っ子のような口調で問い詰めていく。
 
 「ねぇそれなぁにぃ」
 「あ、い、いや、ス、ストッキングです…」
 恥ずかしくて顔が上げられない。

 「ふぅぅん、それってゴミ箱に捨ててあったストッキングだよねぇ、そんなの拾ってどうするのぉ」
 
 「……………」
 和哉が答えられないでいると、更に問い詰める。

 「ねぇ、どうするのぉ」

 「……………」

 ああ、和哉くん可愛いくて堪らないわぁ…

 恥ずかしがりうつむいてしどろもどろになっている和哉の姿を見て美冴もまた興奮していた。

 実は美冴は和哉が密かにゴミ箱からストッキングを持ち帰っているのをなんとなくわかっていた、休憩室の掃除は主婦のパートで持ち回りで簡単に行っており、1週間位前に掃除をしてゴミ箱の中身を捨てようとした時に自分の脱ぎ捨てた伝線ストッキングがなくなっているのに気づいたのだった。
 始めはあまり気にならなかったのだが、仕事をしながら考えていると段々と気になり始め、そんな時にふと和哉の熱い視線が自分の脚に向けられていることに気づいたのだ、そしてそれでゴミ箱からストッキングが紛失したことと結びついたのである。

 この店には男は店長とこの和哉しかいない、そして店長とはもう半年以上仕事をしているけど私の脚に対する熱い視線は感じたことがない…

 だとしたら和哉しかいない、美冴はそう確信し、そして仕事を一緒にしながら冷静に和哉を観察する。
 
 やはり、和哉くんは私の脚を見ている…

 美冴を見る時、比較的、いや常に和哉の視線が下に向き、その視線が自分の脚に向けられていることを確信したのだ。
 
 その視線に悪い気がしなかった…







 
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