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シャイニーストッキング
第3章 黒いストッキングの女2 美冴
15 推薦理由
そのリストの中に
蒼井美冴…
黒い女の名前があった。
「ふぅん、あ、この…」
わたしはこの名前を見て一瞬だけ心が揺れた、それはここ最近の充実した多忙のせいで、すっかり彼女の存在自体を忘れていたからである。
そしてそのリストに記載されている彼女の名前を指さして、笠原主任を見た。
「ああ、例のあの黒い彼女です…」
そう言う笠原主任の目が少し緩んでいた。
そしてここのスタッフ全員も、彼女を、蒼井美冴を、陰ではそう呼んでいるのだ。
ただ、彼女に対する印象や存在感は勿論、わたしと他のスタッフ達とは全く違ってはいる。
「実は彼女は非常に優秀なんです、現在……」
笠原主任曰く、黒い彼女こと蒼井美冴は現在、損保系の担当で、ここのオペレーターはお客様からの緊急連絡を受けたり、保険担当者や事故処理業者等との橋渡し業務もあるのだが、この半年近く、その双方からの彼女に対する苦情、クレーム等が一切ないのだという、そして判断力、対応力が良いらしく、本来はないのだが業者等からの指名の希望が入るほどなのだそうだ。
そして性格的にも的確で、切り替えが早く、お高くないので周りのスタッフからも比較的頼られているとのこと。
「彼女はまずい…ですか?」
「いえ、いえ、全然大丈夫ですよ」
「ああ、よかった、彼女は服が黒いだけですから…」
笠原主任はそう笑いながら言ってきた。
わたしは意外な印象を感じていた、そして、わたし自身の中で持っているあのわだかまりの想いを決して誰にも言うわけにはいかないし、悟られてもいけない。
ただ、予想もしていなかった名前と、推薦理由に驚いていたのだ。
そうなんだ、そんなに優秀なんだ…
わたしは無意識に部長の席を見る、だが彼は今日も本社出向で不在だった。
少しドキドキと、心の奥が騒めき始めてくる。
そうか、彼女か…
「じゃあ、笠原さん、このリストアップされた人達と明日一人ずつ面談したいのだけど、業務の都合よろしくお願いしますね」
そして各々の履歴書を受け取った。
結局、こんなカタチで巡ってくるんだ…
再び彼女の存在感を意識してしまう。
ちゃんと落ち着いて話せるかしら…
そして次の日、彼女と面談をする。
そのリストの中に
蒼井美冴…
黒い女の名前があった。
「ふぅん、あ、この…」
わたしはこの名前を見て一瞬だけ心が揺れた、それはここ最近の充実した多忙のせいで、すっかり彼女の存在自体を忘れていたからである。
そしてそのリストに記載されている彼女の名前を指さして、笠原主任を見た。
「ああ、例のあの黒い彼女です…」
そう言う笠原主任の目が少し緩んでいた。
そしてここのスタッフ全員も、彼女を、蒼井美冴を、陰ではそう呼んでいるのだ。
ただ、彼女に対する印象や存在感は勿論、わたしと他のスタッフ達とは全く違ってはいる。
「実は彼女は非常に優秀なんです、現在……」
笠原主任曰く、黒い彼女こと蒼井美冴は現在、損保系の担当で、ここのオペレーターはお客様からの緊急連絡を受けたり、保険担当者や事故処理業者等との橋渡し業務もあるのだが、この半年近く、その双方からの彼女に対する苦情、クレーム等が一切ないのだという、そして判断力、対応力が良いらしく、本来はないのだが業者等からの指名の希望が入るほどなのだそうだ。
そして性格的にも的確で、切り替えが早く、お高くないので周りのスタッフからも比較的頼られているとのこと。
「彼女はまずい…ですか?」
「いえ、いえ、全然大丈夫ですよ」
「ああ、よかった、彼女は服が黒いだけですから…」
笠原主任はそう笑いながら言ってきた。
わたしは意外な印象を感じていた、そして、わたし自身の中で持っているあのわだかまりの想いを決して誰にも言うわけにはいかないし、悟られてもいけない。
ただ、予想もしていなかった名前と、推薦理由に驚いていたのだ。
そうなんだ、そんなに優秀なんだ…
わたしは無意識に部長の席を見る、だが彼は今日も本社出向で不在だった。
少しドキドキと、心の奥が騒めき始めてくる。
そうか、彼女か…
「じゃあ、笠原さん、このリストアップされた人達と明日一人ずつ面談したいのだけど、業務の都合よろしくお願いしますね」
そして各々の履歴書を受け取った。
結局、こんなカタチで巡ってくるんだ…
再び彼女の存在感を意識してしまう。
ちゃんと落ち着いて話せるかしら…
そして次の日、彼女と面談をする。