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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 195 新しい朝(1)

 最後に美冴さんと一緒に露天風呂に入り、夜明けを眺める…

 最高のシチュエーションで迎える、最後の朝である。

「さあ、和哉、早くぅ…」
 そう美冴さんに急かされて僕は露天風呂に一緒に入った。

 ジャババー…

 僕が露天風呂に入り、肩まで湯船に浸かるとお湯が溢れ、こぼれ落ちる。

「ふうぅ…」
 そのお湯の気持ち良さに、思わず快感の吐息を漏らしてしまう。

 そして眼前に広がる太平洋の水平線が白々と、そして赤々と、橙色に輝く朝焼けに染まってくる。

「ああ、朝日が、旭が、昇ってきたわ…」

 まだ上空は藍色から蒼色、そして紫色から橙色へとゆっくりと朝焼けのグラデーションに染まり、水平線の彼方から、ゆっくりと橙色の朝日の太陽が昇ってきていた。

「うわぁ、キレイ…」

「はい…」
 本当にキレイな朝焼けであった。
 こんな朝焼けなんてしみじみと見るのは初めてであったのだ。

「わたしね、この朝日を和哉と見たいなって、昨日の水族館のカフェテリアに居る時に思ったのよ」
「え、そうなんですか…」

「うん…そうなの
 あの夕焼けを見た時に、一緒に夜を過ごしてさ…
 夜明けの朝日を二人でこうして眺めてさ…」
 するとそう云いながら美冴さんは僕の肩に頭を寄せて…

「朝焼けの夜明けの空に白々と昇っていく朝日を見ながら、全てをリセットし、そして再生をし、わたし達を今後も…
 これから先も…
 後押ししてくれる力の源としても…
 そして五年前の和哉との想いをリセットし…
 また和哉自身のわたしへの想いにもケジメを付ける意味でも…
 これからのわたしと和哉の新しい関係の為にも…
 二人でこうして朝日が見たいなって思ったのよ…」
 と、云ってきたのである。


「み、美冴さん…」

 僕はその美冴さんの言葉に感動をしてしまっていた。

 和哉自身のわたしへの想いにもケジメを付ける意味でも…
 これからのわたしと和哉の新しい関係の為にも…

 特にこの言葉に、心が揺れ、震えてしまっていたのである。

 これからの二人の新しい関係の為にも…
 
 そうか、そうなのだ。

 最後の夜なんかじゃないんだ…

 リセットをし、リスタートをする新しい朝なんだ…




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