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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 2 ときめきの違和感

 私はその佐々木ゆかり部長の姿を認め、少し心がときめいた。
 その彼女の姿は、相変わらずの凜とした雰囲気を漂わせた美しさであり、なんとなく彼女の周りが輝いて見えたのである。

 どうしたんだ、2日振りにゆかりの姿を見たからなのか…
 私はそのときめきに内心、違和感を感じていた。

 たった2日見てないだけなのに…

 だが、内心、その違和感の、いや、そのゆかりへのときめきの理由はなんとなくだが分かっていたのである。

 そうか…

 律子、松下律子のせいか…

 昨夜、紆余曲折な流れではあったのだが松下律子と横浜で一夜を過ごした、そしてその夜のゆかりからの電話の着信時の律子の取った動きに私はかなりの動揺と、不惑な戸惑い、そして自己嫌悪を感じてしまったのだ。

 そのせいだ…

 そして、まだまだ自分の甘さを一瞬にして痛感してしまう。

 本当にダメだな、私はまだまだ甘いな…

 
「あ、叔父さん、こちら佐々木ゆかり部長です」
 ゆかりの姿を確認して一瞬の内にそんな想いに陥っていると、武石健太が叔父である山崎専務に佐々木ゆかり部長として紹介をしていた。

 おそらく、ゆかりから橋渡しを頼まれていたのであろう…

 今朝電話で武石健太がまさかの山崎専務の甥っ子である事実をゆかりに告げ、その際に彼を山崎専務との橋渡し役として上手く利用していこう…と、話しをしたばかりであった。
 そしてさっそくゆかりは彼を上手く使ってきた…と、いう事なのであるのだ。


「初めまして、佐々木ゆかりです、この度は大変お世話になって…」
 そう彼女が挨拶をする。

「そうか、初めてだったかなぁ…
 なんか初めての気がしないよ、いつも君の話しはこの大原くんから訊いているからなぁ…」
 山崎専務は機嫌よく、そう一気に話してきたのである。
 どうやら、さっきの記者会見の興奮の余韻がまだ続いているようであった。

「あっ、そうそう、この質疑応答のマニュアルも凄く助かったよ、礼を言うよ…」
 手にした書類を見ながらそう話していたのだ。

「そうですか、それはよかったです…」
 ゆかりはすぐにそう応えると、秘書が山崎専務に近づいてきた。
 






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