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シャイニーストッキング
第3章 黒いストッキングの女2 美冴
 29 逡巡する思い

 「ああ、こ、浩一さぁん、イ、イクっ」

 ゆかりは私の挿入れながらクリトリスを弄るダブル攻撃に瞬く間に二度目の絶頂感を迎えた。
 実はこのダブル攻撃は隠していたセックスの必殺技なのだ。
 20代位までの若い時に、自分は早漏なんじゃないのか、と、真剣に悩んだ時期があった。
 なかなか相手を絶頂に導けない、自分が果てた時に時折、一瞬だけ感じる相手のなんとなく醒めたような視線に、

 やはり自分は早い、早漏なんじゃないのか… 
 という思いが脳裏から離れなかったのだ。

 今になってよくよく考えてみると、あの若い時期にはよくある至極当然なことなのであるが、当時の自分には真剣な悩みだったのだ。
 だから当時は一度出しておけば長くなると思い、相手がシャワーを浴びている間にこっそり自慰をしたことまであった。

 しかし、20代後半近くにちょっとしたきっかけで寝た当時40歳位のあるスナックのママに、この悩みを吐露し、このダブル攻撃を指南されたのだ。
 そしてこのダブル攻撃はとても効果的であった、その後に寝た女性の殆どに有効な技として存在を発揮した。
 しかしその後、年齢と共に経験を重ね、自身も堪え強くもなり、穏やかに共に愉しむセックスを好むようになってきて徐々にこの攻撃はしなくなっていったのである。
 特に最後のパートナーは元妻であり、彼女は刺激が強すぎるからと嫌がったので完全に忘れ去ってしまったのだ。
 だが、今夜のこの淫らなゆかりを抱き、そして後ろから挿入れたまま抱き締めるこの体勢に無意識にカラダが反応し、思わずこのダブル攻撃をしてしまったのである。

 だから瞬く間に彼女を絶頂に導けたのだが、まさか三連続三度目を誘われるとは思ってもみなかった。

 相当、昼間に何かがあったに違いない…

 今夜の彼女の淫れかたは以前の淫れた夜の比ではなかった。

 一体なにがあったのだろう、確か昨日の夜も携帯に着信があったが、忙しくて折り返すことも忘れてしまっていたからなぁ…

 なにがあったのか…

 そして、ふと、以前の淫らな夜のことを思い返してみる。

 思い当たることはアレしか思い浮かばないや、あの黒い彼女の事なのか…

 私は絶頂に溺れる彼女を抱き締めながらそう考えていた。

 そういえば新事業のスタッフの人選をするようなことを言っていたな…




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