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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 66 元カノという存在

「少し早いけど起きちゃおうかな」
 そう呟きながらきよっぺは起きた。

「トーストとベーコンエッグくらいなら出来るけど?」
「ああ、いただこうかなぁ」

「うん、じゃあ用意してくるね」
 彼女は寝室を出ていく。
 
 カラダの線もそれ程は崩れてはいないなぁ…
 その寝室を出て行く後ろ姿を見ながらそう思っていた。

 昨夜、幼馴染みの宮本まさやんが
『運命の再会かもよ…』
 と、冗談混じりに言ったのだが、本当にそうなってしまった。
 そして20年振りの再会なのだが、会った瞬間からなぜか、二人の間にはそんな時間の壁は感じ無く、すんなりと、昔の、あの27年前のあの頃の二人にスッと戻れたようであったのだ。

 元カノってそんなモノなのかなぁ…

 そういえば大学に入学してから父親が亡くなる前後以来まで、殆ど帰省等はしていなかったから、そんな元カノとか、昔遊んだ女等との再会はした事は無かった。

 すんなりと、昔に戻れるんだなぁ…

 そうしみじみ考えていると
「コッペ、朝ご飯できたわよぉ」
 と、呼ばれる。

「あっ」
 ベッドから起き上がると、素っ裸であったのだ。

 そうだよな、昨夜は寝落ちする前はヤル気満々だったんだから…
 そう思いながら慌てて服を着る。

「コーヒーはブラック?」
 私は頷きながらテーブルに座る。

 こんな朝メシは、この前の律子以来か…
 と、ふと、また再び律子の事が浮かんできたのだ。

 きよっぺと律子の見た目は真逆なんだが…

 こうして何度となく律子が浮かぶという事は、やっぱり二人の内面は、意外にも似ているのかもしれないなぁ…
 きよっぺを見ながらそう思っていた。

 やっぱり、だからいつも律子にときめきを感じてしまうのかな…

「やだぁ、また、見てくるぅ…
 スッピンなんだからあまり見ないでよぉ…」
 すると突然、気恥ずかしそうに言ってきた。

「あ、ごめん…
 なんかさ、こんな朝メシ久しぶりだなぁってさ…」
 とっさに誤魔化す。
 さすがに本当の事は言えない。

「ふうん、いい人いないんだぁ」
「うん…」
「なんか嘘くさいけどねぇ」
 と、悪戯っ子の様な笑みを浮かべて言ってきた。

 ブー、ブー、ブー、ブー…
 その時携帯電話が着信する。

「あ…」

 その着信は弟の健次からであった…






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