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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 233 かき氷

 私はサマーベッドに横になり、ウトウトと微睡んでいた。
 
 目を閉じていると、子供達の嬌声や人々の騒めきの声、たまに吹く真夏特有の生暖かい風、そしてその風に軽く揺れている木々の音等、日常生活を忘れさせてくる時間が心の中で流れていき、ゆっくりと意識が気怠く、蕩けるかの様に遠退いていく。

 そしてその気怠い眠りの海に沈んでいく直前であった…

「こっぺおじちゃんっ」
 と、姪っ子の美海ちゃんが声を掛けてきたのだ。

「うっ…、んんっ」
 私は突然の微睡みを破ってきたそんな姪っ子の声に、
 何かが起きたのか…
 と、慌てて意識を戻し、顔に掛けてあるタオルを取りながら、上体を起こして反応をした。

「んっ、なんだ、どうした」
 慌ててそう問い掛ける。
 すると姪っ子の美海ちゃんと、その友達の二人が、目の前で満面に笑顔を浮かべ、そして手にはイチゴシロップが掛かっているかき氷を手にしていた。

「あのね、あのお姉ちゃんに買ってもらったの」
 と、やや離れた場所でやはりサマーベッドに座り、持たれ掛けている女性を指刺したのである。
 そしてその姪っ子の刺している指先の方向に目を向けるのだが、私の位置からだと間に人もいるし、やや斜めなので後ろ姿しか見えない。

「知ってる人なの?」
 そう訊くと…
「ううん、ぜんぜん知らないお姉ちゃんなの…」
 と、姪っ子は言う。

 なんで知らないお姉ちゃんがかき氷を買ってくれるんだ?…

 大袈裟だが、私の脳裏に一瞬…
『誘拐』という言葉が浮かんできたのである。

 いや、まさか、それはないか…
 そう思いながら、とりあえずお礼をしなくてはと思い、その知らないお姉ちゃんへと歩いていく。

 そして声を掛けた。

「あのぉ、なんかかき氷を…」
 と、そこまで後ろから声を掛けると、その女性が振り返ってきた。

「あっ…」

 そして私は、その振り返った女性の顔を見て驚き、絶句してしまう。


 そこには…





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