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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 232 懐かしのプール

「こっぺおじちゃぁん、おはよう…」
 そう思っていると甥っ子達が元気に声を掛けてきた。
 なんとなく心も弾んできたのだが、ふと、ゆかりときよっぺからの着信が無かった事が脳裏を過ったのである、だが、そんな思いは子供達の嬉しそうな笑顔とはしゃぐ声でサッと消えてしまったのだ。

 そして甥っ子達の友達を含めた五人で『○○ゆうえんち』のプールに向かった。

 正にプール日和の朝から暑い朝であった…

 午前9時にも関わらず、プールは意外に混んでいた。

 このプールはメインに流れるプールがあり、その他、波が立つプールや、幼児用や、大きなグルグル回る滑り台等の遊具もそこそこあり、地元では人気のプールなのである。

 うわぁ、懐かしいなぁ…

 高校三年生の夏休み、ノンと二人でこのプールで短期のアルバイトで焼きそばを焼いていた思い出が蘇ってきていた。

 まさかそのノンの子供を連れて約22年後にこのプールに遊びに来るとは…
 そんな感慨深い思いが湧いてくる。

「よし、おじさんはここにいるから…」
 プールサイドの大きな杉の木の下に、持参したビニールシートを引きながら子供達にそう言った。

 実は、この場所はまだこの時間は日向なのだが、お昼前の辺りから日陰になる穴場なのだ…
 それは昔のバイト経験で知っていたのだ。
 そしてレンタルのパラソルセットとサマーベッドを借りてきて、さっそく横になる。

 目を閉じるとプールではしゃぐ子供達の嬌声、騒めき、微風だが風の音等が心地良く感じられ、すっかり心が安らいでいく。

 プールに来て正確だったな…


 すると、暫くしてウトウトとし始めてきた頃であった…

「いやぁ、凄いいい女がいるなぁ…」

「モデルみたいだなぁ」

「あんな美人初めて見たよぉ…」
 等、私の横をそう話しながら通り過ぎていく若い男達のそんな声が聞こえてきたのだ。

 意外とこのプールは昔から、家族連れや子供達だけではなく、近隣の若い年頃の男女も多く来訪するのである。
 特に平日の昼間等は市内のキャバクラ嬢がよく来ていたりしていて、一時期ナンパスポットになっていたくらいであったのだ。

 だから、中にはそんないい女もいるんじゃないのか…
 くらいに思いながら私はサマーベッドに横になり、ウトウトと微睡んでいたのであった。

 
 

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