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シャイニーストッキング
第3章 黒いストッキングの女2 美冴
 47 蒼井美冴 ⑬

 その考えはおこがましいのだが、どうしても拭えないことがあるのだ。

 それは、原点のキーちゃんこと貴恵は中学時代からの5年間、私に憧れ、憧憬の想いを持ち続けて追っかけてくれた。
 和哉は私の脚、ストッキング脚に憧れ、魅了され、性への興味の憧れからというやや不純な動機からではあるのだが、思春期の高校生特有の魅惑の憧憬の熱い眼差しを向けてくれ、短い時間ではあったが一生懸命愛してくれた。

 同性、異性の違いはあるが、二人共に私に対して憧れを持ってくれ、魅惑の想いで愛してくれた…
 という二人の無視できない共通点があるのだ。

 でも、佐々木課長の場合は違うのだ、今日の面談で初めて一対一で話しただけで、それまでの以前にはなにも交わることはなく会話した事さえなかったのだ、だけどあの不思議な目の光りはあの二人と同じ目としか考えられないし、思えない、だとしたら…

 あの面談の会話の流れで、私を見極める目から、驚きの目に、次に落胆の目に変わっていった、そして変化はそこからだった、そこからこうして私の胸を騒つかせてくるあの二人と同じ魅惑の不思議な目へと変わってきたのだ。

 話しながら、私に対して魅惑を、魅力を、憧憬を持ってくれたのだろうか…
 あの時、仕事の話ししかしなかったのに、しかも簡単に断ったのに、そんな私に魅了されたのだろうか…

 そんなはずはない、普通ではあり得ないことなのだが、それ以外にあの佐々木課長の目の光りがこうまで私を騒つかせる意味の説明が、納得が、できないのだ。

 彼女は同性愛者なのか…

 だが、佐々木課長が私を気にするように見てきていたあの頃に、私自身もそれに気付き彼女を意識して見ていた時に感じた思いがあった。
 
 佐々木課長は大原部長と付き合っているのか…
 ということである。

 昔から私の観察力は殆ど間違ったことはない、だから多分、あの二人は何らかの関係はあるはずなのだ。

 だとしたらやはり、私に向けたあの目は何なのだろうか…

 短い時間にあまりにも脳にたくさんの刺激があり過ぎた、そして過去からの様々な、そして色々な事柄を考え過ぎてしまったようであった、激しい頭痛が襲ってきて、私の思考力は停止してしまう。

 仕方がない、明日から暫く納得のいくまで観察してみよう、この胸の騒めきを止めないと…

 

 
 

 
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