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シャイニーストッキング
第3章 黒いストッキングの女2 美冴
48 派遣契約
「佐々木課長、ちょっとよろしいですか」
笠原主任が声を掛けてきた。
「実は派遣契約のことなんですが…」
満了で契約が切れる中にあの黒い女こと蒼井美冴がいるそうだ、そこで彼女についての相談だと言うのである。
「えっ、じゃあ、派遣契約を切るということなの」
「いえ、逆です、正社員に雇用したらどうかな…って」
そういうことか…
「でも、彼女はこの前の面談で…」
「いえ、それはわかってます、そうじゃなくて…」
笠原主任曰く…
正社員として雇用し、新規事業は勿論、このオペレーター系の部署のみならずに、彼女の希望を聞いてみたらどうなのか…
と、いうことなのだ。
「なるほど…」
「もしかしたら他にやりたいこととかあるかもしれないし…」
あれだけの経歴とビジネス資格を持ち、職歴もあの業界1位の大手旅行代理店勤務なのだから何かしらの希望があるのではないか、と、主任は続けてきた。
主任の意見には勿論、異論はなかった、だが、なぜか少しずつ胸がザワザワと騒めき始めてきていた。
「どうですか、近い内にもう一度彼女と話してみませんか」
「……」
ザワザワが強くなっていく…
この前の面談から約2週間が過ぎ、季節はすっかり真夏となっていた。
この連日の暑さと、新規事業の準備に追われ、そしていよいよ来週のお盆休み前に辞令も降りることとなり、わたしや、部長はすっかり多忙の日々を送っていたのだ。
そしてあの面談の時にわたしの中に生まれた彼女に対する様々な衝撃的な不惑の想いを、今だに整理、納得、消化等々できては居らずただ忙しさに任せて頭の中で隅に追いやり流していただけだった。
だが、この主任の言葉により、再び、そんな不惑な想いが蘇ってきたのだ。
勿論、異論はないし、どっちにしても人材不足気味だし、かなりの即戦力になるのは間違いはない。
どうしよう、ザワザワする…
しかし、わざわざ笠原主任がこうしてまで話しを持ってきたのだ、無下にはできない。
「そ、そうですね、そういうことならもう一度話してみますよ…」
「そうですかっ、じゃあ面談の段取りしますね」
そしてわたしはふと、彼女を、蒼井美冴を目で探す。
この真夏真っ盛りにもかかわらず、今日もまたあの魅惑の黒いストッキングを穿いていた…
「佐々木課長、ちょっとよろしいですか」
笠原主任が声を掛けてきた。
「実は派遣契約のことなんですが…」
満了で契約が切れる中にあの黒い女こと蒼井美冴がいるそうだ、そこで彼女についての相談だと言うのである。
「えっ、じゃあ、派遣契約を切るということなの」
「いえ、逆です、正社員に雇用したらどうかな…って」
そういうことか…
「でも、彼女はこの前の面談で…」
「いえ、それはわかってます、そうじゃなくて…」
笠原主任曰く…
正社員として雇用し、新規事業は勿論、このオペレーター系の部署のみならずに、彼女の希望を聞いてみたらどうなのか…
と、いうことなのだ。
「なるほど…」
「もしかしたら他にやりたいこととかあるかもしれないし…」
あれだけの経歴とビジネス資格を持ち、職歴もあの業界1位の大手旅行代理店勤務なのだから何かしらの希望があるのではないか、と、主任は続けてきた。
主任の意見には勿論、異論はなかった、だが、なぜか少しずつ胸がザワザワと騒めき始めてきていた。
「どうですか、近い内にもう一度彼女と話してみませんか」
「……」
ザワザワが強くなっていく…
この前の面談から約2週間が過ぎ、季節はすっかり真夏となっていた。
この連日の暑さと、新規事業の準備に追われ、そしていよいよ来週のお盆休み前に辞令も降りることとなり、わたしや、部長はすっかり多忙の日々を送っていたのだ。
そしてあの面談の時にわたしの中に生まれた彼女に対する様々な衝撃的な不惑の想いを、今だに整理、納得、消化等々できては居らずただ忙しさに任せて頭の中で隅に追いやり流していただけだった。
だが、この主任の言葉により、再び、そんな不惑な想いが蘇ってきたのだ。
勿論、異論はないし、どっちにしても人材不足気味だし、かなりの即戦力になるのは間違いはない。
どうしよう、ザワザワする…
しかし、わざわざ笠原主任がこうしてまで話しを持ってきたのだ、無下にはできない。
「そ、そうですね、そういうことならもう一度話してみますよ…」
「そうですかっ、じゃあ面談の段取りしますね」
そしてわたしはふと、彼女を、蒼井美冴を目で探す。
この真夏真っ盛りにもかかわらず、今日もまたあの魅惑の黒いストッキングを穿いていた…