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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 246 試練、試験、テスト…

 今日は8月14日…

 この帰省の当初の予定では、明日の15日の遅くとも夕方には東京に戻る。
 そして戻ったらそのまま、ゆかりとお盆休みの残りの数日間を一緒に過ごすつもりでいたのである。

 しかし今夜、そのオスの本能の欲望のままに律子と過ごすという事は必然ではあるのだが、当然、明日も一緒に過ごすという流れになる訳であり、その場合、明日中に東京に戻ってからすんなり律子と別れる事が出来るのか?…

 仮にゆかりの処へと行けるとして、ゆかりとの逢瀬がスムーズに出来るのか?…

 ゆかりを愛せる精力が残っているのだろうか?…

 このほぼ連日連夜の逢瀬によって、そんな元気があるのだろうか?…

 そしてもう一つ、きよっぺの問題もあるのだ…

 今夜きよっぺと逢わないという事は、もう、次の帰省まで逢わないという事になる訳で…
 だから今夜、電話の一つもしない訳にもいかない。

 だが、かといって私はウソがヘタなのである…
 そして上手くウソを付くという自信が全くないのである。 

 ゆかり、律子、きよっぺ…

 やっぱり女難といえるんじゃないか…

 しかし…

 私はこれからは尖っていくと決めたのだ…

 正にこれが『女に尖る』という事なのだ…
 だからこんな場面や局面を、これからも、これから先も、何回も乗り越えて行かなくては、いや、乗り越えて行くと決めたのだ。

 だからこれは、これから先の私への試練、いや、試験、テストなのだ…
 と、思うのである。

 なんて事はない…

 電話でサクッと…

 上手く、自然に、ウソをつけばいいだけさ…

 私は、そう思いながら実家に戻り、甥っ子達と別れ、母親側のリビングのソファーに座り、携帯電話を手に取り、そしてディスプレイを見る。

「あっ」
 すると、ゆかりからメールが着ていた。

 メールの受信時間は午後3時30分…

 なんだ、メールなんて珍しい…
 そう思いながらメールの受信トレイを開く。
 
 ゆかりからのメール…
 それは本当に珍しい事であった。

 普段からゆかりは、電話が繫がらなかった時、そしてその用件が比較的急用な時くらいしかメールはしてこなかった…
 それ以外の殆どは、電話なのだ。

 しかもそれらのメールはほぼ仕事絡みであり、こうしたプライベートのメールはなかった…



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