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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 249 都合の良い想い

『ホテルの部屋は8012号室です』
 律子からのメールにはそう記されていた。

 その律子のメールに『了解』と、返信をする。

 そしてゆかりのメールにも…
『了解』とだけ返信をした。
 
 果たしてゆかりは、この二文字の返信メールからどう私の想いを捉えるのであろうか?…

 失意、失望、落胆…
 そんな想いなのだろうか。

 それとも、ゆかり自身の罪悪感なのだろうか…

 だがどちらにしても、電話を掛けて、ゆかりと直接は話せないのである。
 
 なぜなら、おそらく直接の会話の言葉では、私の想いや自身の行動の後ろめたさの想いの全てを瞬時にゆかりに見抜かれ、見透かされてしまうから…

 なるほど、そういった意味ではメールは便利なのかもしれない…

 そうだ、そうなんだ、やはり、ゆかり自身も明日がダメになって私に対して贖罪の、申し訳ないという想いがあってのメールなのだ…
 と、そう、都合の良い想いが湧いてきた。

 そうだよ…

 このゆかりがメールをしてきた…
 という事は、そういう意味なのだ。

 そして、『友達』は本当に『友達』なんだ…

 まさか、ゆかりに限って…なのである。
 
 そしてそんな都合の良い想いではあるのだが、そう安堵をした途端であった、
 すると突然、脳裏に今日のプールの律子の美しい水着姿が浮かび上がってきたのだ。
 そう、オスの本能、欲望が、そしてあの疼きの昂ぶりが、突然湧いてきたのである。

 そしてそれはまさしく私の優柔不断さ、不惑さ、見境の無さ…等々を意味する想いといえるのだ。

 いつの間にかザワザワの騒めきが、ウズウズの疼きの昂ぶりへと変わってきていた…

 そして脳裏はすっかり律子に対するオスの本能と欲望の昂ぶりの想いで一杯になってしまったのである。

 あの魅惑の…

 そして今日新たに見せてきた、新しい違った一面の律子を…

 愛したい…

 そうオスの本能が思考を覆い、私の心に囁いてくるのだ。

 とりあえず、ゆかりの心配は無くなったんだ…

 そして脳裏に、プールで満面に笑みを浮かべる律子の顔が浮かび上がってきていた。

 律子…

 そして元モデルの…

 りっこ…

 ウズウズはズキズキに変わる。









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