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第13章 絡まるストッキング7　　　　　　本部長大原浩一

　252　接近遭遇…

「え、お二人は？」
　するとノンが、私ときよっぺを交互に見ながら訊いてきた。

「あ、う、いや…」
　私が答えに窮していると…

「うーんとねぇ、簡単に言うと中学生時代の…ね」
　きよっぺが代わりにそう答えてくれたのである。

「あ…、そうなんですかぁ」
　ノンは全てを察し、分かったかの様な表情になってそう返事をし…

「わたしも簡単に言いますとぉ、高校生時代からなんですぅ」
　そう言ったのだ。

「そ、そうなんだぁ…」
　と、きよっぺもそう返事をしながら、意味有り気な目で私を見て、そして後ろにいる律子の姿も見てきたのである。

　なるほどねぇ…

　その律子の姿を見るきよっぺの目が、そう私に語り掛けてきた様に感じたのだ。

　だがさすがのきよっぺにも、このノンと律子と私の三人の組み合わせは分かり様も無い感じではあった…


「…………」

　そして私はこのノンときよっぺの二人のやり取りに、返事のしようがなく…
　ただ、ただ、黙って見ているしかなかったのである。

　そして一瞬、間が空き…

「うん…、それじゃあ、また…」
　と、きよっぺはサッと機転を効かせたのか、そう言いながら…
『またね、後でね…』
　と、私に語り掛けてくる様に大きな目で見ながら、離れて行ったのだ。

　私は、そんな予想外な突然のきよっぺとの接近遭遇に、すっかりドキドキとしてしまい、動揺の色を隠せないでいた。

　そしてふと、後ろの二人と視線が合う…
「ふうぅん、そうなんだぁ…」
　と、ノンが呟き…
「大変ですね…」
　と、律子が笑みを浮かべながら囁いてきた。

　勘の良いこの二人には、いや、きよっぺもそうである…
　この三人には、この一瞬といえる接近遭遇によって、全てが分かってしまった様であるのだ。

　中学生時代からの彼女…きよっぺ

　高校生時代の彼女…ノン

　そして現在…律子

　この三人がブッキングしたという事なのだ…


　まさか、ここでこうなるとは…


　やはり女難としか…思えない。


　そして、せっかくゆかりという存在感が薄くなったのに、今度はきよっぺという存在感が代わりに浮上してきてしまったのである…