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シャイニーストッキング
第13章 絡まるストッキング7      本部長大原浩一
 253 ノンと律子の同盟

「なんかさぁ、こうちゃんがなかなかこっちに帰ってこなかった、ううん、帰りたくないっていう気持ちがさぁ、分かった様な気がするわぁ」
 ノンはフレンチレストランでの食前酒のワインを飲みながら、そう言ってきたのだ。

 私達三人は、フレンチレストランで食事を始めていたのである…

「あ、いや、何、それ…」
 まだ私の動揺は無くなっていない。

「だってねぇ…」
 ノンは意味有り気な笑みを浮かべながらそう呟き、律子に同意を求めていく。

「はい、そうですねぇ」
 と、律子はすかさず相づちしてくる。

「そこいら中に元カノがゴロゴロしてるんじゃぁねぇ…
 そりゃあ、帰ってきづらいわよねぇ」
「うふ、そうですねぇ…」

 すっかり、ノンと律子に同盟を組まれてしまった様であった…

「まさかねぇ…」
 そしてオードブルを口に運びながら、更に呟いてくる。

「えっ、まさかって…」
「ええ、まさかよぉ…
 まさかあの本田さんがねぇ…」
「あっ、いや、それは…」

「えー、それはってぇ?…」
 私はすっかりノンの攻撃に、いや、口撃にタジタジになってしまっていたのである。
 
「いや、中学生時代の大昔の事だよ…」
 タジタジになりながらそう返す。

「ふうぅん、中学生時代ねぇ…
 その割にはねぇ…
 ねぇっ、りっこさん…」
 と、律子に振ってくる。

「はい、そうですね…
 なんか、アレでしたねぇ」
 すっかり律子もノリノリになっている様であった。

「えっ、アレってぇ?」

 ドキドキが止まらない…

「そんな大昔には感じなかったわよねぇ、りっこさん」
 と、ノンは律子に同意を求める。

「そうですねぇ…」
 律子は笑いながら頷いてきた。

「アレは、あの目は、アレよねぇ…」
「アレって…」
「今、正にっていう熱い想い目の輝きだったわよねぇ」
 と、再び律子の顔を見ると、律子は頷く。

「ほら、このりっこさんと同じ目だった様なぁ…」
 しかし、ノンはそこまで話しをしてハッとした顔をしたのだ。
 
 そして…

「あっ、りっこさんごめんなさい、つい、わたし調子に乗っちゃて、余計な事ばかり話し過ぎちゃったわ…」
 と、慌てて謝ってきたのである。




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