この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり

16 理由 ②
『阪神淡路大震災』
『地下鉄毒ガス事件』
それらの二つの重大な出来事はそれからのわたしの意識や考え方、それに、生き方さえも劇的に変えたんです…
そしてその時に凄く実感したのが保険だったんです。
まずは生命保険でした。
故祖父母の生命保険がかなり昔に満期を迎えた保険で、その保障額がその一昔前の世間一般的な相場の金額だったので、今の保障額と比べるとほんの僅かな金額だったと、母親が言っていました。
そして次にその祖父母の自宅といとこの自宅の火災保険でした。
やはり当時の火災保険には地震特約という存在がありましたが、まさかそんな大地震が起こるとは夢にも思っていなかったせいもあり、その地震特約には加入していなかったし、例え加入していてもその被害状況からでは当時の保障には微妙に当てはまらなかったかもって言っていました。
だから現在は生き残られた祖父母の家族も、いとこも自宅は処分するしかなく現在は賃貸マンションに住んでいます。
次に無事だった父親の生命保険の保障額について、仮に、万が一被害に合っていたならば
『多分、十分な医療保障が受けられなかっただろう…』と、母親が怯えた目をして云っていたのを強く記憶しています。
その時です、そんな身近な親戚や身内の苦労、苦悩、焦燥、そして絶望の様子を見て、感じて、わたしは改めて
『保険』という存在の大切さと重要さを実感したんです。
わたしは当時は大学生でしたし、商学部だったせいと時代の風潮もあったせいで、就職活動も『キャピタル系』を志望していたんですが、それらの出来事と、そのせいの自分の激変といえる意識の変革により
これからは保険だ…
『わたしがこれからの生活に合った新しい保険制度を築く』
そう考える様になったんです。
「…………」
わたしは伊藤敦子さんのそんな、予想外な重い理由に言葉を失っていた。
すると彼女はまだ話しを続けてきたのである…
「そんな理由であの『○△生命』に総合職として就職できたのですが…」
…その僅か三カ月後位からは、絶望の毎日が始まったんです…
彼女はそう呟き、そして越前屋さんを見つめる。
すると越前屋さんはそんな伊藤敦子さんの視線を受けて、大きく頷いたのだ。
そう、この越前屋朋美と伊藤敦子は同期入社、そして同じ総合職採用であったのである…
『阪神淡路大震災』
『地下鉄毒ガス事件』
それらの二つの重大な出来事はそれからのわたしの意識や考え方、それに、生き方さえも劇的に変えたんです…
そしてその時に凄く実感したのが保険だったんです。
まずは生命保険でした。
故祖父母の生命保険がかなり昔に満期を迎えた保険で、その保障額がその一昔前の世間一般的な相場の金額だったので、今の保障額と比べるとほんの僅かな金額だったと、母親が言っていました。
そして次にその祖父母の自宅といとこの自宅の火災保険でした。
やはり当時の火災保険には地震特約という存在がありましたが、まさかそんな大地震が起こるとは夢にも思っていなかったせいもあり、その地震特約には加入していなかったし、例え加入していてもその被害状況からでは当時の保障には微妙に当てはまらなかったかもって言っていました。
だから現在は生き残られた祖父母の家族も、いとこも自宅は処分するしかなく現在は賃貸マンションに住んでいます。
次に無事だった父親の生命保険の保障額について、仮に、万が一被害に合っていたならば
『多分、十分な医療保障が受けられなかっただろう…』と、母親が怯えた目をして云っていたのを強く記憶しています。
その時です、そんな身近な親戚や身内の苦労、苦悩、焦燥、そして絶望の様子を見て、感じて、わたしは改めて
『保険』という存在の大切さと重要さを実感したんです。
わたしは当時は大学生でしたし、商学部だったせいと時代の風潮もあったせいで、就職活動も『キャピタル系』を志望していたんですが、それらの出来事と、そのせいの自分の激変といえる意識の変革により
これからは保険だ…
『わたしがこれからの生活に合った新しい保険制度を築く』
そう考える様になったんです。
「…………」
わたしは伊藤敦子さんのそんな、予想外な重い理由に言葉を失っていた。
すると彼女はまだ話しを続けてきたのである…
「そんな理由であの『○△生命』に総合職として就職できたのですが…」
…その僅か三カ月後位からは、絶望の毎日が始まったんです…
彼女はそう呟き、そして越前屋さんを見つめる。
すると越前屋さんはそんな伊藤敦子さんの視線を受けて、大きく頷いたのだ。
そう、この越前屋朋美と伊藤敦子は同期入社、そして同じ総合職採用であったのである…

