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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり

17 激白…①
この越前屋朋美と伊藤敦子の二人は
『○△生命保険株式会社』に同期入社、そして同じ総合職採用であったのである。
「佐々木室長はあの会社の社風の事は?…」
伊藤敦子さんは訊いてきた。
「ええ、もちろん訊いています」
「ふぅぅ…」
わたしがそう返事をすると彼女はため息を漏らしてくる。
そのため息からは、彼女が就職してからのこの三年間に味わってきたであろう
無念…
失望…
挫折…
苦悩…
そして屈辱…
等、そんな感情が伝わってきた。
「入社してすぐの当時、わたしは本気で『新しい生命保険保障を作るんだ』って希望とヤル気に溢れていたんです…」
そう伊藤さんが言うと、越前屋さんも頷いてくる。
「だけど…、しかし…」
伊藤さんはそう呟き、ひと呼吸の間を開け、そして少し宙を見た。
「あの会社は…
本当に、女性を…」
そして伊藤さんは、その無念の心の想いを激白してきたのである。
それはまるで彼女の、心の慟哭でもあった…
「本当に女性を…
特に優秀な女性を…
蔑ろに、いや、潰してくるんです…」
再び越前屋さんが頷いてきた。
「わたしも、このえつ、いや、越前屋も総合職としてそつなく研修ををこなし、そしていよいよ本格的業務が始まる三カ月を過ぎた頃に…」
…新たな地震保険の提案を、社内プレゼンしたり資料を作成したりしたんです。
そうしたら…
『阪神大震災の整理もついていないし、現時点では時期尚早だ…』
等々、上司に否定されてしまったんです。
でもわたしは挫けませんでした…
鼻から一発でプレゼンが通るとは思っていなかったし、まだまだ改善の余地はあったし、だから更にその内容や、地震特約保障範囲の細分化等々の精査をしたりして何度かトライし続けたんです。
それに、実は、この同期の越前屋もわたしと同じ思いで入社をしていたので、わたしは地震特約保険を、越前屋は更に地震だけでなく、台風や水害等の自然災害に特化した新たなカタチの保障保険のプレゼンを二人でし続けたのです…
この越前屋朋美と伊藤敦子の二人は
『○△生命保険株式会社』に同期入社、そして同じ総合職採用であったのである。
「佐々木室長はあの会社の社風の事は?…」
伊藤敦子さんは訊いてきた。
「ええ、もちろん訊いています」
「ふぅぅ…」
わたしがそう返事をすると彼女はため息を漏らしてくる。
そのため息からは、彼女が就職してからのこの三年間に味わってきたであろう
無念…
失望…
挫折…
苦悩…
そして屈辱…
等、そんな感情が伝わってきた。
「入社してすぐの当時、わたしは本気で『新しい生命保険保障を作るんだ』って希望とヤル気に溢れていたんです…」
そう伊藤さんが言うと、越前屋さんも頷いてくる。
「だけど…、しかし…」
伊藤さんはそう呟き、ひと呼吸の間を開け、そして少し宙を見た。
「あの会社は…
本当に、女性を…」
そして伊藤さんは、その無念の心の想いを激白してきたのである。
それはまるで彼女の、心の慟哭でもあった…
「本当に女性を…
特に優秀な女性を…
蔑ろに、いや、潰してくるんです…」
再び越前屋さんが頷いてきた。
「わたしも、このえつ、いや、越前屋も総合職としてそつなく研修ををこなし、そしていよいよ本格的業務が始まる三カ月を過ぎた頃に…」
…新たな地震保険の提案を、社内プレゼンしたり資料を作成したりしたんです。
そうしたら…
『阪神大震災の整理もついていないし、現時点では時期尚早だ…』
等々、上司に否定されてしまったんです。
でもわたしは挫けませんでした…
鼻から一発でプレゼンが通るとは思っていなかったし、まだまだ改善の余地はあったし、だから更にその内容や、地震特約保障範囲の細分化等々の精査をしたりして何度かトライし続けたんです。
それに、実は、この同期の越前屋もわたしと同じ思いで入社をしていたので、わたしは地震特約保険を、越前屋は更に地震だけでなく、台風や水害等の自然災害に特化した新たなカタチの保障保険のプレゼンを二人でし続けたのです…

