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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 18 激白…②

 それに、実は、この同期の越前屋もわたしと同じ思いで入社をしていたので、わたしは地震特約保険を、越前屋は更に地震だけでなく、台風や水害等の自然災害に特化した新たなカタチの保障保険のプレゼンを二人でし続けたのです…

 と、ここまで伊藤さんは熱く、その胸の内の慟哭を激白してきていた。

 なるほど、この越前屋さんも伊藤さんと同じ思いだったんだ…

 だから、国家のエリートの道を捨ててまでもこの保険業界に飛び込んできたのか…
 これで、越前屋さんに対する疑問がひとつ解消された。

 そして、また、モヤモヤとした想いの感情も湧いてきていたのだ。

 それは…
 確か、この地震特約と自然災害保険はあの『○△生命』の新たな目玉になった筈じゃなかったかな?
 無事にプレゼンが通ったのか?…
 ふと、そう想い浮かんだのであるが、この後すぐに伊藤さんの話しを訊いて、このモヤモヤが怒りに変わったのである。

「なんとですねっ、このわたしと越前屋の二人のプレゼンが、いや…」

…このわたし達の熱い想いの込めた、このプレゼン、プランが盗まれた、いや、横取りされたんですっ…

 おそらく伊藤さんは、わたしにこの話しをしていて、当時の無念、怒り等が蘇ったのであろう…
 口調が強くなり、表情が高揚気味になってきていたのである。

「えっ、盗まれたって?」
 わたしは驚きの声を上げた。

 盗まれたってなんだ?…

 まさかそんな事が…

 そんな事が起こるほど…

 そこまであの会社は腐っていたというのか?…

 
「はい、盗まれたんですっ」

 わたしの隣で越前屋さんが強く頷いてきた…

 


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