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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 38 指先…(1)

 彼のその『飛んで…』という言葉に心が震え、そして濡れてしまう。


 あの彼が珍しくそんな言葉を言ってきたのだ…
 それは紛れもなく彼も、わたしに逢いたいという証拠といえる。

 そうよ…

 間違いないわ…

 ああ、早く逢いたい…

「ああ、うん…飛んで行くさ…」

 その彼の甘い言葉に心は震え、痺れ、蕩け、甘く濡れ、そして疼かせてきていた。

 ああ、わたしは彼を、浩一さんを愛している…

 早く逢って…

 抱かれたい…


『じゃあ、明日のゴルフ頑張って下さいね…』
 多分、その声も震え、濡れた艶気を彼に伝えているはずである。

「ああ、ありがとう、また明日電話するよ…」
 その証拠に、彼のその声も甘い艶気を帯びてきている様に感じられてきていた。

『あ、はい、電話待ってます』
 わたしはそんな彼の甘い言葉に、嬉しくて思わず声のトーンを上げてしまう。

 心の押さえが効かなかったのだ…

「うむ…」

『おやすみなさい…』

「おやすみ…」

 そして電話を切った。

 心がザワザワと騒めいてきていた…

 心をウズウズと疼かせてきていた…

 ああ…

 ああ、浩一さん…

 浩一さんに逢いたい…

 そして抱かれたい…

 愛されたい…

 心の疼きは、カラダの疼きに変わってきていた。

 ああ…

 ダメ…

 このままじゃ、とても眠れそうにない…

 もう、生理を挟んで二週間以上近くも抱かれていないのだ…

「はぁぁぁ…」

 わたしは吐息を漏らしながら右手をゆっくりと下ろしていく…

 そして右手の指先が、疼きの昂ぶりの元へと這っていく…

「あ…」

 すでに布地は、愛の蜜に湿っていた…

「あ…ん…」

 とても我慢はできない…

 そして、このままでは眠れそうになかった…

『飛んでいくさ…』

 耳の奥から彼の甘い声が囁いてくる…

「あぁ…」

 あぁ…

 浩一さん…

 

 
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