この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
3 バリ島
当時は急速に円高が起きていて、円高還元差益というワードが急上昇で、高級輸入品が安くなったり、海外旅行がブームとなっていた。
そんな中、近所にあるカフェバー兼サーフショップのオーナーの新井のりゆき、ノリくんが来店してきたのだ。
ちなみにこの旅行代理店の入居しているテナントビルのオーナーはノリくんの父親であり、なんと私の借りているマンションのオーナーもそうであったのを、後々に知った。
「ちわース」
「いらっしゃいませ」
「あれっ、新しい人だ」
「……」
「ああ、今度入ってくれた蒼井美冴さんだよ、よろしく頼むね」
と、この旅行代理店の社長が言った。
「あ、蒼井さん、あそこのカフェバーとサーフショップのオーナーの新井さんだ」
「あ、蒼井です、よろしくお願いします」
「あ、ちぃース」
軽い男…
カフェバーとサーフショップのオーナー、若くて、お坊ちゃま風で、色黒でチャラいナンパサーファー、それが彼に対する第一印象だった。
私は初めて会った人を一瞬で観察し、その人となり等を推察してしまう癖があったのだ。
「蒼井さん、美人っスねぇ」
「おおっと、ノリくん、手出さないでよね、前にいたあの子も…」
どうやら私の前に勤めていた女性と何かあったらしい。
「社長、大丈夫っスよお」
本当に軽い、その時サーファーという人種はそうなんだ、と思っていた。
「ご用件は、旅行ですか…」
私は淡々と進めていく。
「あ、そう、バリ島へ…」
彼曰く、年明けに2週間程のバリ島へのサーフトリップをしたいので色々手配してほしいとのことであった。
当時のバリ島はまだ一般的な観光地化しておらず、ほぼサーファーしか行かない島であったのだ。
しかも最近の円高もあり、バリ島でのレートの差が50分の1、つまり、円は50倍近くになっていた、まさにサーファー天国といえ、またツアーという大手のプランは少なく、あっても比較的高いので、こうして旅行代理店が飛行機チケット、現地ホテルの手配等をすることが、バリ島トリップに関しては通例であったのだ。
「じゃ、とりあえず明日までに何パターンかよろしくっス」
そう言って慌ただしく彼は出ていった。
実はバリ島には後輩がオーストラリア人と結婚して移住しておりコネがあったのだ。
当時は急速に円高が起きていて、円高還元差益というワードが急上昇で、高級輸入品が安くなったり、海外旅行がブームとなっていた。
そんな中、近所にあるカフェバー兼サーフショップのオーナーの新井のりゆき、ノリくんが来店してきたのだ。
ちなみにこの旅行代理店の入居しているテナントビルのオーナーはノリくんの父親であり、なんと私の借りているマンションのオーナーもそうであったのを、後々に知った。
「ちわース」
「いらっしゃいませ」
「あれっ、新しい人だ」
「……」
「ああ、今度入ってくれた蒼井美冴さんだよ、よろしく頼むね」
と、この旅行代理店の社長が言った。
「あ、蒼井さん、あそこのカフェバーとサーフショップのオーナーの新井さんだ」
「あ、蒼井です、よろしくお願いします」
「あ、ちぃース」
軽い男…
カフェバーとサーフショップのオーナー、若くて、お坊ちゃま風で、色黒でチャラいナンパサーファー、それが彼に対する第一印象だった。
私は初めて会った人を一瞬で観察し、その人となり等を推察してしまう癖があったのだ。
「蒼井さん、美人っスねぇ」
「おおっと、ノリくん、手出さないでよね、前にいたあの子も…」
どうやら私の前に勤めていた女性と何かあったらしい。
「社長、大丈夫っスよお」
本当に軽い、その時サーファーという人種はそうなんだ、と思っていた。
「ご用件は、旅行ですか…」
私は淡々と進めていく。
「あ、そう、バリ島へ…」
彼曰く、年明けに2週間程のバリ島へのサーフトリップをしたいので色々手配してほしいとのことであった。
当時のバリ島はまだ一般的な観光地化しておらず、ほぼサーファーしか行かない島であったのだ。
しかも最近の円高もあり、バリ島でのレートの差が50分の1、つまり、円は50倍近くになっていた、まさにサーファー天国といえ、またツアーという大手のプランは少なく、あっても比較的高いので、こうして旅行代理店が飛行機チケット、現地ホテルの手配等をすることが、バリ島トリップに関しては通例であったのだ。
「じゃ、とりあえず明日までに何パターンかよろしくっス」
そう言って慌ただしく彼は出ていった。
実はバリ島には後輩がオーストラリア人と結婚して移住しておりコネがあったのだ。