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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 4 出会い

 「こんちわ…」
 次の日、違うサーファーが来店してきた。

 「いらっしゃいませ」

 「ホントだ、美人だ…」

 「え…」
 美人と言われ正直悪い気はしないが、店に入るなりいきなり言われて困惑してしまう。
 だが、改めてそのサーファーを見てドキッとした。

 昨日の坊ちゃんオーナーの軽さとは正反対で、落ち着きのある雰囲気に、シャープな顔立ち、そして優しく微笑ような目に、その目尻の皺。

 タイプであった…

 「ゆうじさん、そうでしょう、やばいっスよねぇ」
 昨日の軽いノリがそう言いながら後から入ってきた。

 ゆうじ…って言うんだ…

 これが、ゆうじとの初めての出会いである。

 私は目尻の皺と、目の輝きに弱い。
 その目尻の皺はいつも微笑んでいる印であり、目の光はその人の想いを伝える。

 ゆうじがその一瞬、私に見せた目の光は碧かった、正に紺碧の海を連想させる目の光といえたのだ。
 そして全身から放たれてくる優しそうなオーラ。

 その時、私は初めて一目惚れをした。

 え、なに、ドキドキする…

 33年間生きてきて、こんな一目惚れは初めてであった。

 「どう、プランできたっスかぁ」

 「えっ、あっ、は、はい…」
 このドキドキに戸惑っていた。

 「うわぁっ、やばいっ、ゆうじさん、これスゲぇっスよ」
 ノリくんが私の提示したプランに感嘆の声を出したのだ。

 「あ、ホントだ、チョー安いっ、しかもこのホテルって今年出来たばっかりの高級リゾートホテルだよね」
 ゆうじは私を見てそう言ってきた。

 「え、はい、そうです」
 戸惑いながら応える。

 そして私は昔の後輩がオーストラリア人と結婚して移住してコーディネーターをしているので、この値段でできるのだと説明をしたのだ。

 「ええっ、それって翔子じゃね、だよね」

 「えっ、翔子を知ってるんですか」

 ゆうじは既に何度となくバリ島には通っていて、現地の日本人グループとも数人の知人がいるそうだ、そこで私の後輩の翔子とも面識があるのだそう。

 なぜか彼との間に共通の知人がいることが分かっただけで、心の緊張がほぐれてきたのだ。

 「俺さぁ、そこのバーでこいつにこき使われてっからさ、遊びにきなよ」

 「は、はい…」

 これがゆうじとの出会いときっかけであった。

 
 
 
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