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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 6 ゆうじ ②
 
 ゆうじはサーファーとして超一流のトップアマチュアで彼を慕ってのサーファー客はかなり多かった、そしてノリくんと彼目当ての女性客も多かった。

 どうやら私は彼のことを本当に惚れてしまったらしく、そんな女の子達が来店している時には一杯だけ飲んですぐに帰るようにしていたのだ。  
 彼ら目当ての女の子達は皆若く、明るく、眩しく見え、30過ぎた私は妙におばさんに感じてしまい、心が少し辛かった。
 そんな夜は寂しいけれど、それは仕方ないことだと割り切ってはいたのだが、やはり寂しかった。

 そして通い始めて約3週間を過ぎた頃の12月半ば辺り、ランチを食べていたら
 「20日に店主催のクリスマスパーティーやるからさ、美冴さんもよろしくね」
 と、ノリくんからそう誘われる。

 クリスマスかぁ…

 この半年は色々あり過ぎてすっかり忘れていた、パーティーなんて久しぶりだけど、私みたいなおばさんは浮かないのだろうか、と、やや自虐気味な気分になってしまう。
 その頃の私はノリくんやゆうじとはすっかり馴染む事ができ、普通に色々な話しが出来るようになっていた、そして話せば話すほどに、ますますゆうじの魅力に惹かれてしまっていたのだ。
 それにちゃんと話すとノリくんが意外にしっかりしているのも分かった。

 そんな頃、珍しく店が暇でカウンターにはお客が私一人だけの夜に
 「なあ、パーティー来るんだろ」
 ゆうじが聞いてきた。

 「え、まあ、考え中…」
 「なんで…」
 「だって……」
 こんなおばさん一人は浮いちゃうかな…
 と、昼間思った自虐な想いを少し話す。

 「おばさんなんて…思ったことないぜ」
 その言葉に心が震えた、そしてそう言ってくれるゆうじのはにかんだ顔にときめいてしまった。

 「うれしい…」
 「あの女の子達は気にすんなよ、やはり、営業上さ色々あるんだよ」

 そんなことはわかっている、それは私のただの嫉妬なんだから…
 でも、なぜそんなことを言うのだろうか。

 まさか…
 駄目、ダメだ、調子よく期待などしてはダメ、後で辛くなるから…

 私はつい一人で逡巡してしまう。

 ドキッ…

 そんな逡巡して、ふと、顔を上げると彼が私を見ていた。
 あの初めて見た時と同じ碧い目で私を見ていたのだ…

 「なあ、今夜、店終わったら…」
 
 




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