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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 124 ときめき

 満面に笑みを浮かべた杉山くんが、部長室のアクリル板から顔を覗かせてきたのである。

「え、なに、何で?」
 杉山くんはもう約二時間前位に、芝公園近くのイタリアンレストラン前で直帰で帰った筈だったのに…

「あ、いや、忘れモノっス」

「忘れモノ?」

「あ、はい、滅多に鳴らない携帯電話を忘れちゃって…取りに来たんス」
 と、苦笑いをしながら言ってきた。

「あ…、そうなんだ……」

「あ、はい…、滅多に鳴らないし、全く予定が無いんスけど、一応、明日からお休みになるから取りに来たんス」

 そうなんだ…

 なんか、今のわたしの心境に、杉山くんの『滅多に鳴らない…』という自虐の言葉が胸に刺さってくる。

「佐々木部長も、なんかぁ、ボーっとした顔してたっスけど?」
 と、他意は無いのだろうが、そう言ってきた。

「え、あ、そ、そう?…」

 ヤバい…

 途方に暮れて、ボーっとしていた顔をズバリ見られてしまったみたい…

 わたしはなんか、まるで杉山くんに心の中を覗かれてしまった感じになり、急に恥ずかしくなってしまう。

「あ、はい…
 なんかぁ、寂しい顔してボーっとしていた様に見えたっスけどぉ…」

「え…」
 そしてそんな、ズバリ的を射た杉山くんの言葉にドキッとしてしてしまい、思い切り動揺してしまった。

「寂しい…なんて、そ、そんな事ないわよ」
 わたしは慌てて否定をする。

「えー、そうっスかぁ…
 なんかぁ、そう見えたっスけどねぇ」
 だが、杉山くんはそう続けてきたのだが、彼には他意は無いらしく、にこやかな笑みを浮かべていた。

 ああ…

 わたしはそんな杉山くんの笑みを見て、少し心が軽くなった感じがしてきたのである。

「もお、わたしが寂しいなんて…
 し、シロウト童貞の杉山くんに分かる筈ないじゃなぁい…
 考え過ぎよ」
 彼の笑みのおかげで、一瞬にしてそう反撃ができた。

 杉山くんには、今のわたしの心の弱さ、弱気は見せたくなかった…のだ。

 だが…

 次の杉山くんの言葉に心が揺れてしまう…

「あ、そうだぁ、佐々木部長夕メシ行きませんかぁ…
 昨日、今日ってランチご馳走になっちゃったっスから、俺がおごりますよぉ…」

「えっ…」

 何故かわたしは、杉山くんのその言葉にドキッとときめいてしてしまったのだ…



 
 
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