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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 18 ゆうじ ⑭

 「今だにサーフィン雑誌にはちょくちょく載ってて凄いんスよ、だから女にもモテまくり…あ……」
 ノリくんはそこまで言って言葉に詰まる。

 「大丈夫、私はそれには理解してるつもりだから」

 そうなのだ、私は順番待ちの割り込みをしたズル込みなんだ、それ位理解しないといけない。

 「あっ、ま、そうっスか…でも…」

 ゆうじは私のことを

 ようやく出会った存在なのだ…

 とノリくんに言ったそうだ。

 「え、そうなの」

 「そうっスよ、自分も今回みたいなゆうじさん初めてっスから」

 「今回みたいな…」

 「えっ、あ、いや…」
 ノリくんはまた失言したみたいだった。

 だが私はこんなノリくんの言葉には、逆にリアルさがあってなんとなく嬉しかった、それに私は20代のように若くはない、そしてバツイチ、そこそこに理解はあるつもりであったのだ。
 だが、理解を超えるレベルの事が次の日に起きた。


 私達の関係が始まってちょうど10日が経ち、お店のクリスマスパーティーには違った意味で不参加を決めて、いよいよ本当のクリスマスイブを迎えようという前日であった。
 実はあの夜から私達は毎晩彼の部屋で愛し合っていたのだ、そしてその日も仕事が終わり一度帰宅し、シャワーを浴び、次の日の着替え等の準備をして23時位に彼の部屋に向かう、これがあの夜以来の私の毎晩のパターンとなっていたのだ。
 そして彼はたいがい24時過ぎに帰ってくる。

 私は今夜も彼とのセックスに内心昂ぶりを感じていた。
 彼とのセックスは相性が良いらしくとにかく肉体的には感じるし、終わって眠るまでの心の充足感がたまらなかったのだ。
 そしてまた、彼のストッキングラブの虜にもなりつつあった。
 彼のせいで今までのストッキングに対する感覚や存在感が根本的に変わってしまったのである。
 私にとっては昼夜共々、ストッキングの存在は欠かせなくなってしまったのだ。

 私は彼の10階建てのマンションのエントランスに着き、エレベーターに乗り、部屋のある8階のボタンを押そうとした、その時、カツカツ、と、ヒールの小走りの音が聞こえ、思わず、(開)のボタンを押した。

 「すいません」
 そう言って女性が小走りに入ってきた、そしてそのまま彼女が8階のボタンを押したのだ。

 あ、同じ階だ…
 

 


 
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