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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
20 ゆうじ ⑯
えっ、まさか、そうなの…
驚きの現実である。
「クリスマスだし、なんとか無理いって早く撮影切り上げてようやく日本に帰ってきたのよ」
彼女は怒っていた。
「それなのに、何なのあのメールはっ」
どうやらゆうじがメールを送ったらしい。
「はっ、私がお店に行ける訳ないじゃん、ただでさえそこら中にカメラあるのにっ」
お店に来いと言っているようである。
この頃カメラ付き携帯電話が一気に普及したせいで、一般人による芸能人のスキャンダルがよく写真週刊誌に載るようになっていた。
だから彼女はそれを言っていたのだ。
「なんか彼女ヅラして勝手に入りたくなかったけど…」
えっ…
彼女は合鍵を持っていた。
そう言って電話を切り、バッグから鍵を取り出してゆうじの部屋に消えたのだ。
えっ、どうしよう…
私は余りにも現実離れしたこの展開に怒りという感情ではなく、ある意味呆れていたのかもしれない。
付き合い始めたばかりの彼氏の元カノが有名モデル、今時テレビドラマでもないような現実に呆れるしかなかったのだ。
あ、でも、あの電話のやり取りではまだ完全に切れてはいないのか…
ここで初めて不安を感じ始めた。
それは相手は完璧というくらいの美しい有名モデルなのだ、片や、私は、ただの30過ぎのバツイチおばさんOLなのである、まず、競争というスタートラインにさえ並べるはずもない。
この時に初めて、不安、焦りを感じ、そして改めてノリくんの言っていたゆうじの凄さに驚いたのだった。
マジなの…
これがこの時の最初の感想である。
そして私は自宅に戻るしかなくなった。
ブー、ブー、ブー…
その時バッグの中の携帯電話のバイブが響いた、この時間、このタイミングなら多分ゆうじからである。
でも私は電話には出なかった。
なぜならゆうじの言い訳や嘘は聞きたくなかったからだ。
私はこの現実を目の前で見て知っているのだ、だとしたら彼のこの電話は言い訳か、嘘しかないはずだから。
いい、大丈夫
明日だ
明日彼に逢おう
明日彼に聞こう
付き合うことにした時からわかっていたことなのだ
ゆうじを信じると決めたはずなのだ…
その夜私は、そう心の中で葛藤をした。
初めて迎えた不安の夜であった…
えっ、まさか、そうなの…
驚きの現実である。
「クリスマスだし、なんとか無理いって早く撮影切り上げてようやく日本に帰ってきたのよ」
彼女は怒っていた。
「それなのに、何なのあのメールはっ」
どうやらゆうじがメールを送ったらしい。
「はっ、私がお店に行ける訳ないじゃん、ただでさえそこら中にカメラあるのにっ」
お店に来いと言っているようである。
この頃カメラ付き携帯電話が一気に普及したせいで、一般人による芸能人のスキャンダルがよく写真週刊誌に載るようになっていた。
だから彼女はそれを言っていたのだ。
「なんか彼女ヅラして勝手に入りたくなかったけど…」
えっ…
彼女は合鍵を持っていた。
そう言って電話を切り、バッグから鍵を取り出してゆうじの部屋に消えたのだ。
えっ、どうしよう…
私は余りにも現実離れしたこの展開に怒りという感情ではなく、ある意味呆れていたのかもしれない。
付き合い始めたばかりの彼氏の元カノが有名モデル、今時テレビドラマでもないような現実に呆れるしかなかったのだ。
あ、でも、あの電話のやり取りではまだ完全に切れてはいないのか…
ここで初めて不安を感じ始めた。
それは相手は完璧というくらいの美しい有名モデルなのだ、片や、私は、ただの30過ぎのバツイチおばさんOLなのである、まず、競争というスタートラインにさえ並べるはずもない。
この時に初めて、不安、焦りを感じ、そして改めてノリくんの言っていたゆうじの凄さに驚いたのだった。
マジなの…
これがこの時の最初の感想である。
そして私は自宅に戻るしかなくなった。
ブー、ブー、ブー…
その時バッグの中の携帯電話のバイブが響いた、この時間、このタイミングなら多分ゆうじからである。
でも私は電話には出なかった。
なぜならゆうじの言い訳や嘘は聞きたくなかったからだ。
私はこの現実を目の前で見て知っているのだ、だとしたら彼のこの電話は言い訳か、嘘しかないはずだから。
いい、大丈夫
明日だ
明日彼に逢おう
明日彼に聞こう
付き合うことにした時からわかっていたことなのだ
ゆうじを信じると決めたはずなのだ…
その夜私は、そう心の中で葛藤をした。
初めて迎えた不安の夜であった…