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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 10 別れ際の…

「うん、ち、近い内に、ファミレスに顔を出すね…」
 逆にわたしはそんな和哉の笑顔に少し動揺をしてしまい、思わずそれを繕ろうとして、そう無意識に言った。

 それはその笑顔に、一瞬、和哉のわたしに対する大人の対応を感じてしまったから…
 

「はい…待ってます…じゃあ…」
 そして和哉は笑顔でそう返事をし、クルマを発車させようとする。

「あ、あの…」
 
「え…」

「あ、あの、お別れじゃないから…
 お別れの……キスは…しないよ……」
 そして思わずわたしはそう言ってしまった。

 だが、これも…

 この言葉も…

 無意識であったのだ…

「え、あ、は、はい…」
 すると和哉は満面に笑みを浮かべ、そして小さく左手を上げてクルマを発車した。

 そして…

 わたしは、その走り去るクルマの後ろ姿をときめきながら見つめていく。

 ああ…

 これじゃまるで…

 立場が入れ替わっちゃったみたいじゃないの…

 走り去るクルマを見つめながら、わたしは、ふと、そう想う。

 まるで、わたしが和哉に恋い焦がれているみたくなっちゃったわ…
 でも、それもまた、なんとなく嬉しかったのだ。

 なぜならば…

 和哉という少年の…

 いや、和哉の少年から大人の男への成長を、進化を目の当たりにした…

 そして和哉の成長、進化の手助けをし、関われた…
 そんな感覚を感じ、そして感動を覚えたからである。

 完全にわたしという存在が刻み込まれた筈だから…

 いや、それはわたしも同じであるか…

「ふうぅ…」
 わたしは一つため息をつき、一瞬の内に、和哉と衝撃の再会をしたこの約三日間の激動的といえる日々を想い返した。

 これでいいのよ…

 これで…
 そしてそう想う。

 すると、エントランスからここの住人であろう女性が出てきて、ふと、わたしは我に返る。

 あ、そうだ、ゆかりさんに到着の電話をしなくちゃ…

 その時のわたしは…

 この後ゆかりさんと、この魚市場で買ってきたお土産を肴に、女子トークをするのを…
 いや、ゆかりさんと女子トークをする事によって、和哉との事を切り替えできると思っていたし、そしてまた、久しぶりの女友達との関わりが楽しみに思っていたのであった。

 だが…

 まさか…





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