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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 11 友達の来宅…

「え…あ、はい…
 じゃあ、大田区の…………です」
 わたしは美冴さんからの電話での問い掛けに、住所を伝えた。

『あ、了解です、じゃあ、うーんと…
 だいたい夕方4時位に着くかなぁ?…
 ねぇ…
 あ、はい、うん。そのくらいに行きますねぇ…』
 美冴さんはどうやら誰かと一緒らしく、一瞬、そんな問い掛けをおそらく同乗者に聞き、そしてそうわたしに言って美冴さんは慌ただしく電話を切った。

 誰と?…

 あ、そうか、話していた元カレなのか?…

 元カレの運転で、亡くなった元彼のお墓参りに行ったのだろうか?…

 まさか元彼のお墓参りに元カレと…

 電話を切ってから、少しそんな事を考えていたのだが…
 ハッとしたのだ。

 あっ、そうだ…

 美冴さんがウチに来る…

 直行でウチに来るって言ってきた…

 美冴さんがウチに…

 ドキドキドキドキ…
 わたしは一気に、心の騒めきが高鳴ってきたのだ。

 ワクワク…
 そして、また一方では不思議な感覚の昂ぶりがしてきた。
 それは一昨夜と昨夜の慰めの夜の想いであるのだが…

 いやいや…

 それはあり得ない…
 わたしは必死に脳裏から打ち消していく。

 だが美冴さんがウチに来る…

 お友達になった美冴さんが来宅する…

 よくよく考えると、わたしの今までの人生の中でお友達が自宅に来宅する、いや、来たという記憶が無い。

 小さい頃はあったかもしれないが、でも、その記憶は無い…

 初めてお友達が来宅する…

 美冴さんがウチに来る…

 ドキドキ…

 ワクワク…
 高鳴りと昂ぶりが一気に心を震わせてきた。

 ああどうしよう…

 どうしたらいいのか…

 ああどうしよう…

 何をどうしたらよいのか解らない。
 そしてわたしは思わず時計を見る。

 あと約4時間だ…
 
 いや4時間もある…

「あっ、そうだ…
 まずは、掃除だわ…」

 そう、掃除をしよう…

 部屋を綺麗にしなくては…

 わたしは料理は苦手、いや、出来ないに等しいが、掃除、洗濯は得意なのだ…

 やはり母親がそうであったから…
 だが、最近は何かと仕事が忙しくて、洗濯はしているのだが、掃除はここ最近サボりがちであった。

 よしまずは掃除だ…

 美冴さんが来るまでに、部家を綺麗にしなくては…




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