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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 22 宝箱みたいな…

「どっちが食べたいですかぁ?」

「えっ、あ、うーん…
 あ、パスタがいいかなぁ…」
 と、ゆかりさんはそう言いながら…

「あっ、た、確か、スパゲティの麺はあったはずだわ…」
 そう呟きながら、ビルトイン式の収納戸棚を開けて見る。

「あ、ほら、あったぁ」

「どれどれ…」
 と、わたしも覗いて見た。

「あ、ホント…
 あっ、お素麺やおうどん、お蕎麦の乾麺も沢山ある」
 そう、その収納戸棚に乾麺が沢山あったのである。

「そう、そう、みんな貰いモノなのよ」
 ゆかりさんはそう呟く。

「あら、すごいわ、みんな高級品だわ」

 そうなのである…
 みんな貰いモノという位であるから、其れ等の乾麺は皆、一流メーカー、有名品であるのだ。

「えー、じゃあ、後は何がありますかぁ?」

 そう、この際だから在庫チェックをしてから買い物しようと、わたしは瞬時に思ったのである…

「うーんとねぇ…」
 ゆかりさんはそう呟きながら、他の収納戸棚を開いていく。

 すると、出てくる、出てくる…

 一流メーカーの一流品、そして高級品の類いの香辛料セットや、様々な乾燥ハーブ類、世界の調味料セット、高級オリーブオイル等…
 貰いモノ、お中元、御歳暮的な包装された逸品モノが、まるで宝探しの如くにザクザクと、続々と出てきたのてある。

 うわ、凄いわ…

 まるで料理好きにとっては宝箱みたいな収納戸棚である。


 でも、そうすると必要なのは食材だけね…

「わかりましたぁ、じゃあ、スーパーに買い物に行きましょうよ…」

 そしてわたしは、ゆかりさんにそう言った。

「うんっ」
 するとゆかりさんは満面に笑みを浮かべて、本当に嬉しそうに返事をしてきたのである。

「あ、じゃあ、着替えなくちゃあ…
 さすがにコレじゃあねぇ…」

 確かに、完全に部屋着的なヨレヨレの着古したTシャツにハーパン姿であった…

「ちょっと待ってて…」
 そうゆかりさんは言って、奥の部屋に消える、そしてその間わたしは、脳裏で
 何をつくるか…
 何が必要なのか…
 を考え、そして材料を思い浮かべ、さっきの収納戸棚と冷蔵庫の中身を比べながら、メモに必要なモノを書き込んでいく。

 ある意味、こんな時間も、料理好きには堪らない時間といえる…





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