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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 26 二人の刻 ③

 「これ、クリスマスプレゼント…」
 ゆうじはそう言いながら、ベッドのサイドボードから水色の包みを出してきた。

 「えっ…」
 一応、私も用意はしてバッグに忍ばせてはいたのだが、バタバタしていたから彼からクリスマスプレゼントが貰えるとは予想もしていなかった。

 「なにキョトンとしてんだよ、俺だってプレゼントくらい…、お、おい…」

 私は嬉しくて涙をこぼしてしまう。

 「おい、泣くなよ…」

 「ごめん、嬉しくて…」
 そうなのだ、昨夜の今夜だから、少し情緒不安定なのかもしれない。

 「開けてみてよ」

 「うん…」

 水色の箱はティファニーだ。

 「あっ、かわいい…」

 ティファニーのかわいいアンクレットであった。

 「付けてみてよ」

 「うん…」
 私は箱から取り出して左の足首に付ける。

 「かわいい、ありがとう…」

 すると彼はその足首を掴み

 「この美しい美冴の脚は、俺のだけの脚という、しるし、だから…」
 ニヤリと微笑みながらそう言った。

 「うん、わかった…」
 私も微笑み返しした。

 「ただ、これはストッキングの下の素足に付けるんだぜ」

 「わかってるわよ、じゃあ、これ脱いじゃおうかなぁ…」

 「あ、いや、まだ…」
 彼は少し慌てる。

 まだする気なんだ…

 「先超されちゃったけど、私も…」
 そう言いながらバッグからプレゼントを取り出した。

 「はい…メリークリスマス」

 「うっ、スゲぇ、これ…」

 30㌘のプラチナ喜平ネックレスである、一昨日に用意しておいたのだ。

 「な、なあ、これ、高いじゃん」
 私は黙って首を振る。

 確かに安くはない値段ではあったが、金額ではなかった。
 私はこれを見て、陽に焼けた彼の肌に輝くこのネックレスを想像し、迷わず買った品物なのだ。
 それにそこそこの離婚の慰謝料を貰っていたし、そもそもがそんなお金の使い道もなかったのだ。
 それよりも、こんなに喜んでくれていることで私の心が満たされていく事の方が嬉しかった。

 「うわぁ、ありがとう」
 そんな彼の嬉しそうな声に心も弾む。
 
 「これは首輪だからね、これでゆうじさんは、私だけの男の、しるし、だから…」

 本当は
 貴方に首ったけ
  の、つもりであったのだが私もマネてみたのだ…

 

 
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