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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 35 魅了されて…

 わたしは、ゆかりさんの色々な想いと希望をなんとか一つでも多く叶えてあげたい…
 と、心からそう思った、いや、思う様になっていたのである。

 より身近になって…

 より一緒に仕事をする様になって…

 わたしは更に、いや、改めてゆかりさんという一人の女性の魅力に惹かれ、魅かれ、魅了されてきていたのだ。

 そして日を追う事に、出来る事ならば、このゆかりさんにもっと喜んで貰いたい…
 
 もっともっと笑顔が見たい…
 と、心から思うようになっていた。

 あの夜に…
『とりあえず12日に電話しますね』
 と、約束した時に、とりあえずはこんな感じにしたい…
 と、思っていたのだ。

「あぁホント、みんな美味しいわぁ」
 だから、こんなに嬉しそうにしてくれているゆかりさんの笑顔を見て、わたしは心から嬉しいし、ホッと安堵したのである。

 ゆかりさんの笑顔を見ると、わたしの心も和んでくるのだ…

 でも、本当にゆかりさんは変わった、いや、変わってきている…

 本当に笑う様になってきている…

 あの『鉄の女』と、陰で云われていたのが嘘のようであった…

 あ、それを云ったら『黒い女』のわたしも同じかぁ…
 と、ふと、そう思い、思わず笑ってしまう。

「えっ、どうしたの?」
 すると、そんなわたしの笑顔に気付いたのだろう…
 ゆかりさんが訊いてきたのだ。

「あ、え、いや、なんかゆかりさん、よく笑うようになったなぁって…」
 
「え、もお、やだなぁ」
 と、ゆかりさんはすかさず照れてくる。

「実はさぁ、それ、ホント最近、みんなに云われてるのよぉ…」
 と、続けて言ってきた。

「えっ、みんなってぇ?」

「え、あ、うん、うーんとねぇ…
 まずは笠原主任でしょう…
 それにぃ、営業の杉山くん、あともう一人の営業の鈴木くん…
 あ、美冴さんは鈴木くんはわかる?」

「あ、はい、あの栃木県出身の…」




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