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シャイニーストッキング
第15章 絡まるストッキング9     美冴とゆかり
 36 可愛らしい笑顔

「え、あ、うん、うーんとねぇ…
 まずは笠原主任でしょう…
 それにぃ、営業の杉山くん、あともう一人の営業の鈴木くん…
 あ、美冴さんは鈴木くんはわかる?」

「あ、はい、あの栃木県出身の…」

「そうそう、なんだぁ、そこまで知ってるんだぁ…」
 と、ゆかりさんは意外、という顔をして言ってきた。

「あ、はい、この前、たまたま準備室代わりの会議室の前でばったり会った時に、向こうから訊いてきたんですよぉ、あ、そうそう…
 その鈴木くん、コールセンターのオペレーターの松山さんと付き合ってるの知ってましたかぁ?」
 
「ああっ、そう、うん、知ってる、いや、実はさぁ、昨夜、偶然にさぁ、まあぁ色々成り行きはあったんだけどさぁ、その杉山くんと、鈴木くんと、その松山美咲ちゃんの四人でお食事をしたのよぉ…」

「えっ、そうなんですか?」
 わたしはその意外な組み合わせのメンバーに、少し驚いてしまう、いや、それよりも、このゆかりさんが部下と食事に行くとは…
 と、そう思ったのである。

 やはり、ゆかりさんは本当に、劇的に変わったのだ…

 あの『鉄の女』のゆかりさんが…

 これは、きっと…

 彼氏である『大原浩一本部長』の愛情の影響、いや、お陰なのだ…
 と、わたしはそう思う。

 そして…

 本当に良かった…

 このゆかりさんから大原本部長を奪わなくて…

 略奪しなくて…

 本当に良かった…と、心からそう思っていたのだ。

「それでね、その時にね…
 その三人からもね…
 『部長は本当に良く笑う様になりましたよね』って云われたの…」 
 と、本当に明るく、そして嬉しそうに言ってきたのである。

 良かった…

 ゆかりさんからこの笑顔を奪わなくて…
 
 そして…

 こんな可愛らしい笑顔で笑うんだ…
 とも、ゆかりさんの顔を見ながら思っていた。

「あ、あと…
 彼からもね…
 最近、変わったなぁって…」
 すると、急に恥ずかしそうにそう呟いつきたのである。

 ああ、なんて可愛らしいんだ…

 わたしはそのゆかりさんの恥じらいの笑顔を見て、思わず、ドキッとしてしまう。

「えっ彼って?…、本部長?…」

「う、うん………」

 ドキッ、ドキドキ…

 わたしはその可愛らしい笑顔にドキドキとしてしまう…





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