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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 32 二人の刻 ⑨

 目…

 蒼い目か…
 
 確かに離婚の話しや勿論あの和哉のこと等の過去の話しは一切していないし全く訊かれていなかった。
 私はそのことを訊いてみた、なぜ過去のことを訊いてこないのかと。

 「別に過去のことなんていいじゃん、別にみっさの過去のこと興味ない訳じゃないよ、でもいいじゃん話したい時に話してくれればさ…」

 私はこうしてMIKACOさんのことが気になって訊いているのに…

 「いや、ミッコのことは誰だって気になって当たり前だと思うから…」
 気にするな…ということか。

 「そうじゃんか、あの有名なモデルでタレントのアイツなんだぜ、気にならない方が変だよ」

 確かにそれは変だとは思うのだが、こうして信じると決心したのに、私は本当に情けない、ダメだ…

 「そんなことないよ…」



 …どうして私がそんな女に負けるのっ、どうしてゆうじを譲らなくちゃいけないのっ、冗談じゃないわよ、あり得ないからっ
 私のどこが劣ってるのよっ…

 そう言って彼女、MIKACOは姿見の前に立ったそうだ。

 「ほら、この私よ…」

 「………ミッコ…」

 「イヤよ、無理、別れたくないっ」

 「ごめん…」

 「だって変だよ、なんで、この私なのよ、みんなが好きって言ってくれてるこの私なのよ、それをあなたは独占して、これからもできるのよっ」
  
 「ごめん…」

 「ほらっ、この脚、あなたが好きなこの黒いストッキング、どうっ」
 黒いストッキングを穿いた脚をゆうじの前に伸ばしてきた。

 「あんなに悦んで舐めたじゃない、しゃぶったじゃない、いいのよ今…」

 「ごめん…」

 そしてここで突然スカートを脱ぎ、黒いストッキングも脱ぎ、パンティにも手を掛ける。

 「ミッコっ、やめろよっ」
 慌てて止めると、ゆうじに抱き付いてきた。

 「なんで…なのよ…」
 そう呟きながら唇を寄せてキスを求めてくるが、ゆうじは彼女のキスを拒む目をしたのだ。

 「わかった、脚なのねっ、その女の脚がいいんだ、ホントっ変態なんだからっ」
 そう叫び、彼女はゆうじを突き放し、そして大きな瞳から涙をこぼしてきた。

 「イヤ、ヤだよぉ、ゆうじしかいないのよぉ…」

 「あのニュージーランドで、モデルじゃない普通の女として接してくれた人はゆうじしかいなかったの…」



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