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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 50 幸せな時間 ⑬

 それはまるでサーフィンが取り持つ夢のようなビジネス話しであったのだ。

 その中でゆうじの存在は新進気鋭のブランド側からはビジネスパートナーであり日本でのイメージモデルとして求められ、某大手商社側からもそのブランドのイメージモデルとアドバイザーとしての双方合意の上での存在感を示すこととなったそうである。
 サーフィンブームは安定してこれからも続く見通しであり、特にファッションの面では世界的にサーフファッションが伸びてきていた、そしてこの商社もこれから20代から30代以上の年齢層をターゲットにしていくそうなので、正にゆうじがピッタリなのであった。

 しかしゆうじ自身は、
 自分は所詮アマチュアサーファーであるから、イメージモデルは辞退して後輩の何かと面倒見ている若手プロサーファーに譲る…
  そういう考えを持っていたのだ。

 そして自分はブランド側の正規代理人のオブザーバー程度でよいし、商社側に対してはアドバイザー契約でよいと考えていたようであった。


 私はその話しを聞いて驚いてしまっていた、とても普通ではあり得ない話しである。

 しかし本人からしたら
 ただサーフィンをしているだけでこうなっているのだ…
  としか思っていないのだ。
 
 そしてよくよく彼からの話しを聞くと、英語通訳の助けではなく、この話し全体の助けを求めてきていたのであった。

 ねえ、みっさ、どうしよう…

 そう彼の心の呟きが聞こえてくるようであったのだ。
 勿論協力はするのだが、それよりも相変わらずの彼を取り巻く現実離れしたこの夢のような事実に私はまず驚いてしまっていた。

 まるで世の中は彼中心に回っているような感じの話しだ、本当にすごい男なのかもしれない…
 そう思わざるを得ないような話しには違いなかった。

 一応私はこれでも経済学部経営学科卒業なのだ、ここは私の知識をフル回転させてでも頑張って助けねばならない…

 今まで彼にはたくさん助けてもらってきたのだ、ここで協力し、恩返ししなければならない、と、思っていのだ。

 それにこれは彼の今後の人生の大きな転機になるはずなのだ、この転機に関われる事は幸せな事なのだ…

 私はそう思っていたのである。


 そしてこの残りの夏はこのビジネスパートナーの件で掛かりっ切りとなった…





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