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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 52 幸せな時間 ⑮

 「パーティーがあるから一緒に行こう」
 「えっ、パーティーって、私はいいわよ」
 このブランドの日本進出大成功の記念パーティーだそうだ。

 「ダメだよ、今回の件は殆どみっさのアドバイスのおかげなんだから」
 「ええっ、そんな、違うわよ」
 「違わないから、それにジムもみっさに会いたがってるし」
 ジムとはこのブランドの社長の名前である。
 今回の件で私は、ゆうじの代わりとして何度となく電話で彼とは話していたのだ。

 「ワイフを連れてこいって煩いんだよ…」
 「え…ワイフって……」
 そのワイフって言葉に私は素直に嬉しくなっていた。

 確かに外国主催のパーティーの多くは奥様や彼女同伴は普通に当たり前のことではあったのだが
 ワイフと言われるとは…
 私は素直に嬉しかったのだ。


 そして私は12月最初の金曜日、パーティーに同伴した。

 正直こんな華やかなパーティーに参加したのは初めてのことであった。
 まずはアメリカからのブランドの関係者達、そして某大手商社のスポーツ店関連と営業関係者達、百貨店関連のバイヤー達、ゆうじ絡みのプロサーファー達、サーフィン業界関係者、その他銀行等の今回のビジネスシーンに絡んだ全ての関係者達、総勢200名以上はいるだろう、そんな華やかなパーティーであった。
 そしてこのパーティーの主役の1人としてゆうじがいたのだ。
 小心者の私はこの人数でもうテンパりそうになっていたのだが、さすがゆうじであった、ブランドの社長であるこのパーティーのホストのジムが突然振ってきたスピーチにも臆する事無く対応できていた。

 本当にゆうじって凄いんだ…

 でもなにより1番テンパってしまったのは皆が私をゆうじの奥様、もしくはワイフと呼んでくれていたことであったのだ。
 否定する訳にもいかなかったのだが、本音はもの凄く嬉しかった。
 とにかくテンパりまくりで、なんとかゆうじから離れないようにくっついていたのである。
 だがトイレだけは1人で行くしかなかった。

 「あら…」
 なんとトイレでMIKACOさんとバッタリと出くわしてしまったのだ。

 「あ……」
 「………」
 彼女は私を一瞬の内にチェックするかのように見つめてきた。

 「ふうん、そう…」
 「あ………」

 ドキドキしていた…

 
 

 
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