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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 54 最後の時間 ①

 「ええっ、トイレでそんなことがあったのかっ」

 次の夜、私はトイレでのMIKACOさんとのことをゆうじに話した。
 パーティーが終わり2次会へと流れることになったのだが、私は翌日は仕事があったし、あまりの華やかさにすっかり疲れてしまい先に帰ったのである。
 ゆうじ達は2次会が3次会、4次会となり朝方まで大いに盛り上がったようであった。
 そして私は仕事を終えて、ゆうじの部屋を訪れたのだ。
 彼もまだ少しお酒と、やはり緊張からの疲れが残っているようであった。

 「ミッコにはさぁ、ブランドのイメージモデルを頼む時にある程度はみっさの事は話ししたんだ、そして昨夜パーティー会場で少し話しした時に教えたから…」
 「もうその時言ってよぉ、私、チョー緊張したんだからぁ」
 「悪い、悪い、何かと忙しかったからつい忘れちゃったんだわ」
 そうなのであった、今回の日本進出の成功はひとえにゆうじの活躍のおかげなのである。
 そして今回の成功でゆうじは業界関係者だけではなく、関わった全てのビジネスシーンから最大の評価を受けている、と、最初に話しを持ってきたサーフィンカメラマンの木本さんが私に話してくれていた。

 「でも、すごいパーティーだったわ…」
 「うん、凄かったなぁ、俺もあそこまでのパーティーは久しぶりだよ」
 そんな彼はキラキラと目を輝かせ、まだ昨夜の興奮の余韻が残っているようであった。

 「あ、そういえば、来週末にジム夫妻に食事に誘われたんだよ、ぜひワイフと一緒にってさ…」
 「ワイフって…」
 その言葉に私にも昨夜の興奮が再び蘇ってしまう、そしてこのワイフって言葉に少し恥ずかしくなってしまう。

 「向こうの奴らはみんなみっさをワイフと思っているよ」
 向こうの奴らとは昨夜のパーティーに参加していたブランド関係者達のことである。

 「ええっ、そうなの…ちゃんと言えばよかったのに」
 「なんでさ、みっさはさ…」
 急に彼が紺碧の海のような碧い目になり見つめてきた。

 「みっさはさ、本当にワイフじゃん…」
 「えっ…」
 また、ドキドキしてしまう。

 「…だろ」
 そう言って私を抱き寄せキスしてくる。

 「あ…」
 「……しよ」

 唇を合わせながら心が震える、そして鼻の奥にMIKACOさんのプワゾンの甘い香りが蘇ってきていた…



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