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シャイニーストッキング
第4章 黒いストッキングの女3 ゆうじ
 59 最後の時間 ⑥

 週末私達はジム夫妻が来日中に借りている湘南茅ヶ崎のコンドミニアムのバーベキューテラスに来ていた。
 私達の他に、スポーツ店のチェーン展開している商社の担当責任者斉藤夫妻と、ジムのブランドの日本の正規代理人の相沢夫妻、そしてサーフィンカメラマンの木本さんは彼女と共に、あとジム夫妻入れて合計10名である。

 私にとってはこのメンバーは少しだけ緊張も解れるのだ、また、美味しいカリフォルニアワインの酔いのせいもあって楽しいバーベキューであった。
 特に私はここ半年近くサーフィンカメラマンの木本さんとは何度か海で一緒になっていたし、今回のビジネスの件でも何かと裏方で動いてくれたりですっかり仲良くなっていたのだ、そして彼女さんも気さくな方で話しも比較的合ったのだ。
 だから少し気楽であった。

 「ちょっと話しがあります」
 皆でシメのコーヒーを飲んでいた時にブランドのジム社長が私達に言ってきたのだ。

 「はい…」
 「正式にエージェント契約をしたいのですが…」
 「えっ、エージェント契約ですか」
 ジム社長は微笑みながら頷く。

 「そうです、代理人と、商社の方々共に相談した結果です、ゆうじさんにエージェント契約つまり正規輸入代理店となって欲しいのです…」
 「まさか…」
 ゆうじがジム社長のブランドの日本の正規輸入代理店となり、日本国内の販売を総括するという話しであったのだ、そしてこれは既に内々的に話しが進んでおり、代理人と、スポーツチェーン店の商社も了解済みだそうなのだ。
 「あともう一つ、私のブランドの日本だけとしてのゆうじオリジナルブランドも作りたいのですが…」
 ゆうじが発案、企画、デザイン等をする日本オリジナルブランドをゆうじオリジナルとしてブランド化したいということなのである。

 「ええ…」
 私達は言葉を無くしてしまうほど驚いてしまっていた。
 エージェント契約も凄いのだが、ゆうじオリジナルブランドが何よりも凄い。

 「オリジナルブランドもうちが全面的に扱わせてもらいますから」
 と、商社の斉藤さんがそう言った。

 「オリジナル…」
 ゆうじにとっても寝耳に水の話しであったのだ。
 私はやはりこのゆうじにまつわる現実離れした話しの事実を目の前にして驚き、そしてドキドキと興奮してしまっていた。

 やはり、ゆうじは凄い…

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