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シャイニーストッキング
第1章  和哉
 23  美冴 ⑬

 「あぁっ、イヤっ、イクうぅぅっ…」
 美冴は痺れるような絶頂感に全身を震わせる。
 
 「………」
 童貞の和哉にもこの美冴の反応は自分の射精と同じようなことなんだろうと思った。

 「はぁ、はぁ、はぁ…」
 美冴は久しぶりの痺れるような絶頂感に息も上がり、全身の力が抜け、運転席のシートに沈み込むように寄り掛かって何気なく窓の外を見上げると、間もなく満月を迎える十五夜の蒼く輝く月が目に映る。

 あぁ、もうこんな時間なんだ…

 絶頂感の余韻を感じながら徐々に意識も現実に戻り始めてきて何気なく周りを見渡すと、クルマの外は既に暗くなっており駐車場の奥に立っている街灯が明るく灯っていた。

 もうすっかり夜になっちゃった…

 そしてまだまだ興奮気味な下半身を露わにしたままで隣の助手席に座っている和哉の姿を見て、完全に意識が現実に戻ってきた。

 「もう和哉くんたら、二回も出したのにまだ元気なのねぇ」

 「えっ、あっ…」
 和哉もそのひと言に現実に戻り、急に羞恥心を感じ、慌てて下半身に手をかざして隠した。
 美冴もそんな和哉の反応を見て、改めて大きく開いたブラウスの胸元から乳房を露わにし、スカートをめくり上げたままの自身の乱れた姿に気付いて慌てて身なりを整えていく。

 「もう和哉くんたら、早くパンツ履きなさいよ」
 自らもスカートに手を入れ、濡れたショーツを履きながらそう言った。

 「は、はい…」
 
 その言葉は和哉に対してこの夢のような時間の終わりを告げる言葉であり、二人をこの夢から醒めさせ、現実に引き戻す言葉でもあった。


 二人はそれから無言で身なりを整え、再び乗り合わせたファミレスへとクルマを走らせる。

 「……じゃ、また明日ね…」
 美冴は顔を伏せ気味にそう言いながら小さく手を振る。
 
 「は、はい…」
  和哉は返事をするのが精一杯であった。

 明日からどんな顔をして接すればいいのか…

 走り去るクルマを見送りながらそんな不安が沸き起こってくる。

 
 どうしよう、すごい事やっちゃった、明日からどうしたらいいの…

 美冴もまたそう思いながらクルマのハンドルを握り、さっきまでの和哉との過ごした時間の現実の重さを実感していた。
 

 どうしよう…

 二人は真夏の夜の夢から醒めたかのように揺らぎ始めていく。

 
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