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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2 佐々木ゆかり

30 秘書の秘密(2)
「…で?」
「あ、はい…
面白い…かなぁ、そんな情報が訊けましたよ」
鈴木くんの同期に本社秘書課勤務がいるのだ、そしてわたしは適当な嘘を繕って彼、大原常務の専属秘書として新しく就任した『松下律子』の情報入手を依頼していたのである。
「え、面白い情報って?」
「あ、はい、実は…」
実は、なぜか、あの常務専属秘書に就任した『松下律子』さんという存在自体が…
「謎らしいんです…」
「えっ、な、謎って?」
「あ、はい…」
わたしと鈴木くんの二人しかこの部長室にはおらず、また、誰にも聞こえる筈もないのだが…
なぜかわたし達はヒソヒソと声を潜めて話をしていく。
「はい、つまり…」
どうやらその『松下律子』さんという存在が突然現れた…
と、言うのである。
「え、突然現れたって?」
「あ、はい…一応○○年入社の…
しかもニューヨーク支社採用という経歴になってるようで…」
「え、に、ニューヨーク支社採用って…」
「あ、はい、それがぁ…
そこら辺はハッキリしていないそうなんですが…
突然、え…と、お盆休み前の8月8日付けで辞令が…
それも、山崎専務から秘書課課長への直接の辞令だそうで…」
「えっ、や、山崎専務直接って?…」
「はい…秘書課課長へ直接らしいんです…」
山崎専務が…
わたしは一気にザワザワと心が騒めき始めてきた…
確かに彼、大原常務やわたしにとって、山崎専務は出世への後ろ盾であり、恩人的存在ではあるのだが、どうしてもわたしの心の中での存在感は…
今朝も彼と話しをした時に『悪巧み』という単語が出る様な『悪』という印象があるのだ。
いや、決して山崎専務は悪い事はしてはいない…
むしろ会社にとって、いや、本社にとって、いいや、彼とわたしにとってはプラスな存在でしかないのである。
それは大原常務就任然り…
わたしの企画を採用してくれて
『本社コールセンター部部長』
『新規プロジェクト準備室室長』
等々の、同期ブッチギリの昇進は全て山崎専務のお陰であるから、決して『悪』では無いのだ。
ただ、なんとなく『善』と『悪』どちらか…
それがなんとなく『悪』であり、そして『悪巧み』というイメージに繋がっているだけなのである。
「…で?」
「あ、はい…
面白い…かなぁ、そんな情報が訊けましたよ」
鈴木くんの同期に本社秘書課勤務がいるのだ、そしてわたしは適当な嘘を繕って彼、大原常務の専属秘書として新しく就任した『松下律子』の情報入手を依頼していたのである。
「え、面白い情報って?」
「あ、はい、実は…」
実は、なぜか、あの常務専属秘書に就任した『松下律子』さんという存在自体が…
「謎らしいんです…」
「えっ、な、謎って?」
「あ、はい…」
わたしと鈴木くんの二人しかこの部長室にはおらず、また、誰にも聞こえる筈もないのだが…
なぜかわたし達はヒソヒソと声を潜めて話をしていく。
「はい、つまり…」
どうやらその『松下律子』さんという存在が突然現れた…
と、言うのである。
「え、突然現れたって?」
「あ、はい…一応○○年入社の…
しかもニューヨーク支社採用という経歴になってるようで…」
「え、に、ニューヨーク支社採用って…」
「あ、はい、それがぁ…
そこら辺はハッキリしていないそうなんですが…
突然、え…と、お盆休み前の8月8日付けで辞令が…
それも、山崎専務から秘書課課長への直接の辞令だそうで…」
「えっ、や、山崎専務直接って?…」
「はい…秘書課課長へ直接らしいんです…」
山崎専務が…
わたしは一気にザワザワと心が騒めき始めてきた…
確かに彼、大原常務やわたしにとって、山崎専務は出世への後ろ盾であり、恩人的存在ではあるのだが、どうしてもわたしの心の中での存在感は…
今朝も彼と話しをした時に『悪巧み』という単語が出る様な『悪』という印象があるのだ。
いや、決して山崎専務は悪い事はしてはいない…
むしろ会社にとって、いや、本社にとって、いいや、彼とわたしにとってはプラスな存在でしかないのである。
それは大原常務就任然り…
わたしの企画を採用してくれて
『本社コールセンター部部長』
『新規プロジェクト準備室室長』
等々の、同期ブッチギリの昇進は全て山崎専務のお陰であるから、決して『悪』では無いのだ。
ただ、なんとなく『善』と『悪』どちらか…
それがなんとなく『悪』であり、そして『悪巧み』というイメージに繋がっているだけなのである。

