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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2 佐々木ゆかり

32 秘書の秘密(4)
秘書の松下律子さんは、山崎専務の秘密の存在なのかもしれない…
つまりは、やはり山崎専務の『悪巧み』という事でもある。
わたしの心はザワザワとドキドキと昂ぶり、高鳴らせていた…
「そ、そうなんだ」
やっぱり、怪しいウラがあったんだ…
「そしてもう一つ…」
「え?」
「本社内では、そしてもちろん秘書課内でも、秘書課課長までもの誰もが、その大原常務秘書の姿、顔を、いや、存在も見た事が無く…
その人事異動辞令だけが右から左へと流れただけで…
その謎のままに向こうの保険会社に出向して、大原常務専属秘書に赴任した…と、いう事らしいです」
「え、そ、そうなの?」
「はい、そうみたいです…
ただ本社の秘書課課長の手元に残っているのはその人事異動辞令の書類と、その彼女の履歴書のコピーだけだって…
しかもその履歴書に添付されている写真が…
メチャ美人らしい…って…
本社では水面下で騒ついているそうです」
「そ、そうなんだ…」
美人なのは越前屋さんから聞いて知ってはいたが…
「ま、ある意味、本社内の謎の都市伝説のひとつみたいに秘かにウワサが流れているらしいですよ」
「そう…なんだ…」
秘かなウワサか…
わたしは鈴木くんに返す言葉が無かった…
いや、そのくらいに騒つき、昂ぶり、高鳴ってしまっていた。
間違いない…
あの山崎専務の『悪巧み』であり、秘密の存在なのだ。
だが…
彼、大原常務の様子からは、そんな謎な、いや、不思議な存在な感じは全く伝わってはきていない。
彼はウソが下手、いや、嘘が付けないのと同じであるから…
そんな怪しい存在ならば、なんとなくでもわたしには伝わって来る筈なのだ。
だけど、今朝も、さっきも、いや、昨日も感じなかった…
多分、おそらく、彼はそんな秘書の秘密、ウラは全く知らないのだ。
「あっ」
わたしはその時、あの、彼と二人でお盆休み前に本社の人事部に行った時の、あの会話を…
『出向役員になるから秘書を付けるけど、希望はあるか?…』
みたいな事を云われていたのを思い出した。
そうか、そういう事か…
全てはあの頃、いや、あの頃以前のとうに、この彼の常務就任等は…
山崎専務、いや、松本副社長の二人の筋書きとして既に決まっていたんだ。
秘書の松下律子さんは、山崎専務の秘密の存在なのかもしれない…
つまりは、やはり山崎専務の『悪巧み』という事でもある。
わたしの心はザワザワとドキドキと昂ぶり、高鳴らせていた…
「そ、そうなんだ」
やっぱり、怪しいウラがあったんだ…
「そしてもう一つ…」
「え?」
「本社内では、そしてもちろん秘書課内でも、秘書課課長までもの誰もが、その大原常務秘書の姿、顔を、いや、存在も見た事が無く…
その人事異動辞令だけが右から左へと流れただけで…
その謎のままに向こうの保険会社に出向して、大原常務専属秘書に赴任した…と、いう事らしいです」
「え、そ、そうなの?」
「はい、そうみたいです…
ただ本社の秘書課課長の手元に残っているのはその人事異動辞令の書類と、その彼女の履歴書のコピーだけだって…
しかもその履歴書に添付されている写真が…
メチャ美人らしい…って…
本社では水面下で騒ついているそうです」
「そ、そうなんだ…」
美人なのは越前屋さんから聞いて知ってはいたが…
「ま、ある意味、本社内の謎の都市伝説のひとつみたいに秘かにウワサが流れているらしいですよ」
「そう…なんだ…」
秘かなウワサか…
わたしは鈴木くんに返す言葉が無かった…
いや、そのくらいに騒つき、昂ぶり、高鳴ってしまっていた。
間違いない…
あの山崎専務の『悪巧み』であり、秘密の存在なのだ。
だが…
彼、大原常務の様子からは、そんな謎な、いや、不思議な存在な感じは全く伝わってはきていない。
彼はウソが下手、いや、嘘が付けないのと同じであるから…
そんな怪しい存在ならば、なんとなくでもわたしには伝わって来る筈なのだ。
だけど、今朝も、さっきも、いや、昨日も感じなかった…
多分、おそらく、彼はそんな秘書の秘密、ウラは全く知らないのだ。
「あっ」
わたしはその時、あの、彼と二人でお盆休み前に本社の人事部に行った時の、あの会話を…
『出向役員になるから秘書を付けるけど、希望はあるか?…』
みたいな事を云われていたのを思い出した。
そうか、そういう事か…
全てはあの頃、いや、あの頃以前のとうに、この彼の常務就任等は…
山崎専務、いや、松本副社長の二人の筋書きとして既に決まっていたんだ。

