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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2      佐々木ゆかり
 33  秘書の秘密(5)

  そうか、そういう事か…

 全てはあの頃、いや、あの頃以前に、とっくにこの彼の常務就任等は…
 山崎専務、いや、松本副社長の二人の筋書きとして決まっていたんだ。

『傀儡だから…』
 彼はよくそう云っているが、正にその通りという事か…

 あ、いや、わたしも、わたしの存在も同じなんだ…
 彼もわたしも、山崎専務、松本副社長の手の平の上で踊らされているだけなのだ。

 そんな事を思い、わたしは少しゾクゾクとしてきていた…
 
「ゆかり部長、どうかしました?」

「え、あ、ううん、なんでもないわ」
 そんなわたしの様子を感じ、鈴木くんがそう訊いてくる。

「ただ…
 ちょっとビックリしたの…」

「そうですよね、だけどその秘書さんの履歴書、かなり優秀でスゴイらしいですよ」

「そ、そうなんだ…」

「はい、だから、アンチ山崎、松本派閥も突っ込めないみたいで…」 

 そしてわたしはもうひとつの驚きも感じてしまう…

「ねぇ、そのアンチ派閥も結構いるんだ?」

「あ、いるにはいるみたいですけど…
 あの二人の実績と勢いがスゴイから、殆ど表面には出てこないみたいですよ…
 そう、どちらかといえばどっち付かずの日和見の輩が多いみたいです」

「日和見かぁ…そうなんだ…」

「でもぉ、ウチ等コールセンター部はもちろん山崎、松本派閥と見られてますけどね…
 あ、いや、ゆかり部長派閥か…」

「え?」

「いや、だってオレら平社員には派閥なんて関係ないですから」
 と笑いながら話してくる。

「そ、そうなんだ…」

「はい、でもオレらコールセンター部のメンバーは…
 もちろん佐々木ゆかり部長派閥ですからぁ」
 と、鈴木くんはオチを付けてくれた。

「え、あぁ、もう、やめてよぉ、そんな派閥なんてぇ…」
 でもその鈴木くんのオチが機転とな
って、それまでの重い気持ちがスッと軽くなったのだ。

 それに彼、大原常務は、そんな秘書のウラのカラクリなんて、サッパリ知らない…
 そうとしかわたしには思えないから。

 でもいいや、今夜、さり気なく訊いてみようかな?…

「うん、鈴木くん、スゴイ情報ありがとうね」

 ブー、ブー、ブー…
 そうわたしが言ったタイミングで、携帯電話が着信する。

「あ…」

 その着信は伊藤敦子さんからであった…



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