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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2 佐々木ゆかり

35 伊藤敦子(1)
トントン…
「失礼します」
午後5時45分…
部長室のドアがノックされ、伊藤敦子さんが少し大き目なスーツケースを引き摺りながら入ってきた。
「ごめんなさいね、ちょっと夕方に忙しくなっちゃって…」
と、わたしは言い訳のウソをつく。
「はい、あ、いいえ、大丈夫です…ていうか、本当にお邪魔していいんですか?」
伊藤敦子さんは本当に恐縮した感じの表情と声音で、そう言ってきた。
「あ、うん、それは本当に全然大丈夫だから…
気にしないでいいからね…
それに今日はたまたまこの時間に一緒に帰れるけど、多分明日からはとてもこの時間には帰れそうもないし…」
これは本当であった…
明日からはコールセンター部の方の人材の件で忙しくなりそうだったし、それに、向こう、つまり、大原常務の保険会社の方にも出来る限り時間と理由を作って伺おうと、いや、ナゾの秘書の松下律子さんに会いたいとも考えていたからである。
「そうなんですか…」
「うん、だから遠慮は要らないわ…
それに、そもそもがわたしが言い出した事なんだしさ…」
そう…
本当にルームシェアに関してはなんとも思ってはいない、いや、むしろ大歓迎であった。
ただ…
そう、ただ…
わたしはこんな感じで普通を装って話しをしているのだが、実は、内心は…
凄くドキドキと心を高鳴らせ、昂ぶらせてしまっていたのである。
それはなぜならば…
昨夜もそうだし、そしてついこの前も…
一人慰めのソロ活動のフィニッシュに…
なぜか、この目の前にいる伊藤敦子さんの美しく、理知的な顔と目を想い浮かべながらしてしまっていたから。
特別に彼女を意識したつもりは無い、いや、無い筈なのだが…
なぜか浮かんでしまっていたのだ。
そしてその理由は分からない…
それにわたしはビアンでは無い…
いや、美冴さんとこの前、成り行きで経験してしまってはいたが…
それは流れでのたまたまであり、ビアンの自覚は毛頭無いし…
わたしは間違いなく彼、大原浩一常務を愛しているから…
だけど、なぜか…
ドキドキとしてしまっていたのだ。
トントン…
「失礼します」
午後5時45分…
部長室のドアがノックされ、伊藤敦子さんが少し大き目なスーツケースを引き摺りながら入ってきた。
「ごめんなさいね、ちょっと夕方に忙しくなっちゃって…」
と、わたしは言い訳のウソをつく。
「はい、あ、いいえ、大丈夫です…ていうか、本当にお邪魔していいんですか?」
伊藤敦子さんは本当に恐縮した感じの表情と声音で、そう言ってきた。
「あ、うん、それは本当に全然大丈夫だから…
気にしないでいいからね…
それに今日はたまたまこの時間に一緒に帰れるけど、多分明日からはとてもこの時間には帰れそうもないし…」
これは本当であった…
明日からはコールセンター部の方の人材の件で忙しくなりそうだったし、それに、向こう、つまり、大原常務の保険会社の方にも出来る限り時間と理由を作って伺おうと、いや、ナゾの秘書の松下律子さんに会いたいとも考えていたからである。
「そうなんですか…」
「うん、だから遠慮は要らないわ…
それに、そもそもがわたしが言い出した事なんだしさ…」
そう…
本当にルームシェアに関してはなんとも思ってはいない、いや、むしろ大歓迎であった。
ただ…
そう、ただ…
わたしはこんな感じで普通を装って話しをしているのだが、実は、内心は…
凄くドキドキと心を高鳴らせ、昂ぶらせてしまっていたのである。
それはなぜならば…
昨夜もそうだし、そしてついこの前も…
一人慰めのソロ活動のフィニッシュに…
なぜか、この目の前にいる伊藤敦子さんの美しく、理知的な顔と目を想い浮かべながらしてしまっていたから。
特別に彼女を意識したつもりは無い、いや、無い筈なのだが…
なぜか浮かんでしまっていたのだ。
そしてその理由は分からない…
それにわたしはビアンでは無い…
いや、美冴さんとこの前、成り行きで経験してしまってはいたが…
それは流れでのたまたまであり、ビアンの自覚は毛頭無いし…
わたしは間違いなく彼、大原浩一常務を愛しているから…
だけど、なぜか…
ドキドキとしてしまっていたのだ。

