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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2      佐々木ゆかり
 39 伊藤敦子(5)

「あぁ、それはぁ、伊藤さんも、唯我独尊、天下無双だったからじゃないの?」
 と、武石健太がそう言い切ってきた。

「え、唯我独尊、天下無双ってぇ?」
 伊藤さんが訊き返す…

「正に文字通りの意味ですよ」

「文字通りの?」
 すると健太はわたしの顔をチラと見ながら、そして今度は伊藤敦子さんの顔をチラと交互に見ながら、得意気な感じで話し始めてくる。

「えぇとぉ、これは決してセクハラとかじゃないですからねぇ」
 健太は今度はわたし、美冴さん、伊藤さんの三人の、つまり三人の女性の顔をゆっくりと交互に見ながら…

「ほら、ゆかり部長も、伊藤さんも、そして美冴さんも…
 物凄く美人さんじゃないですかぁ…」
 そう言ってくる…と、美冴さんがすかさず反応してきた。

「そんなぁ、わたしを取って付けたみたいに加えないでよぉ」

「え、あ、いや、本当の事ですから」
 と、健太はキッパリと言う。

「いや、あの、お、オレは本当にストーカーじゃないっすよ…
 ただゆかり部長の事は偶然にも大学入学した時から知ってるだけでぇ…」
 そう健太は少し恥ずかしそうに話しを続けてくる。

「あ、で、でぇ、そのゆかり部長と知り合った時はゆかり部長は大学三年で…
 まぁ、つ、つまり、その大学三年、四年の二年間をサークル絡みで直接、そして身近で見てきた訳ですけどぉ…」

 確かに健太は凄く、そしてわたしが大学を卒業するまでの二年間、身近にいたわたしの追っかけ一人であり、周りに存在していた下僕的な男達の一人でもあり…
 いや違う…
 わたしがロッキーという後ろ盾を無くしたタイミングで六本木のディスコシーン界隈にいた危うい輩からの危機一髪に身を挺して守ってくれたり、いいや、秘かに守ってくれていた存在であったし…
 
 そしてわたし自身もそんな健太の存在感を好ましく思っていて、たまには愛しんでいた様な…
 そんな関係であったのだ。

 だから健太は身近以上にわたしの大学生時代の二年間を見てきていたという事は…
 過言ではない。

「ゆかり部長の大学三年、四年を身近に見てきた訳で、あ、いや、見てきて感じていた事が…」

 正にその…
『唯我独尊、天下無双』
 つまり、美人過ぎて、周りに敵無し状態という感じであったと…




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