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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2      佐々木ゆかり
 40 伊藤敦子(6)

「正にゆかり部長の大学三年、四年の二年間は…
『唯我独尊、天下無双』
 つまり、美人過ぎて、周りに敵無し状態という感じであったと…」
 そう武石健太は得意気な顔になって語り始めてくる。

「それは、その勢いは凄かったですからぁ」

「うわぁ、やっぱりそうだったんだぁ」
 と、美冴さんがそんな健太の言葉に食い付いてきた。

「ば、バカ、健太、何そんな昔の話しをしてくるのよっ」
 わたしは一瞬、健太が調子に乗って昔の『黒歴史』の話しをしてしまうのでは無いのか?と、焦ってしまう。

 だが、違った…
 それは杞憂であった。

「あ、いえ…
 だからそんなゆかり部長の事を身近に見てきてそう感じたからぁ…

 ほら、伊藤さんも物凄い美人さんだから、学生時代はやっぱりそんな感じだったんじゃないのかなぁ…って?」
 そう言って、話しをまとめてきたのだ。

「え、あ?…」
 伊藤さんはそんな健太の突然の振りに、返事に窮してしまう。

 いや、多分、ズバリだったのだと、わたしも思ってしまっていた…

「い、いや、そ、そんな美人ってぇ…」

「あ、ち、違いますよ、セクハラとかじゃないですよ…
 ただ、見たままで…」
 健太は慌てて言葉を付け足す。

「うん、でも伊藤さんは本当に美人さんだし、ううん、ホント物凄くキレイで…」
 そう美冴さんが言うと…

「い、いや、そんな、美冴さんやゆかり部長こそ…」
 伊藤さんはそう返してきた。

「だから、つまり、オレの言いたい事は…
 そんな美人さんだからこそ…
 そんな『唯我独尊 天下無双』状態に
知らず知らずのうちに陥ってしまってぇ…

 気付くと友達関係が希薄になっちゃっていたんじゃないのかなぁ?って…」

 そう健太は自分の意見をまとめてきたのだ。

「あ…う、うん?」
 伊藤さんは戸惑い気味にそう返事をしてくる。

 そしてわたしは無意識に美冴さんの顔を見て…
 いや、美冴さんと視線が合い…

「そうかもね…」
 と、思わず呟いてしまったのだ。

「うんうん…」
 そして美冴さんも頷き…
「そうよね、伊藤さん、学生時代、すごくモテたでしょう?」
 そうも言ってきた。

「え、あ、そ、それは…」
 その伊藤さんの戸惑い気味の応えは決して否定的では無くて…




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