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シャイニーストッキング
第5章 黒いストッキングの女4     部長大原浩一
 8 疲れ

 「ああ、いい、いいの、中でっ、そのままでえっ…」
 ゆかりはそう絶頂の叫びを上げて私の上で絶頂を迎えたのだ。

 「うっ、っくうっ」
 私もその導きのままにゆかりの中で激しい快感と共に射精をした。

 「はぁぁ…」
 「ふぅぅ…」
 二人は同時に迎えた絶頂感に、愉悦のため息を漏らしながら、ぐったりとベッドに沈み込んでいく。

 「ふ……」
 私は彼女主導の激しい快感にすっかりと脱力してしまい、ベッドで微睡む間に迂闊にも、ここのところの色々な疲れもあり、スッと寝落ちしてしまったのだ。
 吸収合併の正式発表を10日後に控え、様々な諸問題を一つずつ解決しながら連日の会議や接待、接待ゴルフ、夜の銀座での付き合いと、肉体的にも精神的にも疲れ切っていたのである。

「……はっ」
 そして胸騒ぎを感じ、私ははっと目が覚めたのだ。

 ヤバい、うっかり寝落ちしてしまった…
 慌てて時計を確認すると約1時間程経っていた。

 あれっ、ゆかりがいない…
 ベッドに彼女がいなかった。

 やっちまったか…
 私が迂闊にも寝落ちしてしまったので怒って帰ってしまったと焦燥の気持ちに襲われた、
 その時
 「あっ、起きたんだ」
  と、不意にシャワールームからバスローブを纏い姿を現した。

 「…あ、ご、ごめん…」
 「え、大丈夫よ、あっという間に寝落ちしてんだもん、疲れてるのも分かってるから怒る気にもならなかったわ」
 その言葉を聞いてホッとした。

 ここのところの流れでは恐らく今夜のように黒い女絡みで激しく欲情してきた時は、いつも愛し合った後に彼女の激白を聞いてあげるパターンになっていた。
 そしてその激白により彼女自身の受けたストレスや、プレッシャー等の発散や解消に繋がっているのだろう、と、思っていたから余計に焦ってしまったのである。
 そして彼女にも現実的に今回のこの吸収合併による新事業問題では、既に相当の課題とプレッシャー等を与えているはずなのだ。
 だからこの私の置かれている現在の状況は理解はしてくれているとは思っていたが、寝落ちしてしまっては何の役にも立たない。

 「部長もシャワーしてきたら」
 しかし彼女は優しい笑みを浮かべながらそう言ってくれたのだ。
 
 今や彼女は私にとって唯一の現状を理解してくれている大切な相棒であり、大切な女になっていた…



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