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第20章 もつれるストッキング4　　　　　律子とゆかり

　6　チンプンカンプン…

「ちょっとわたしには難しいんで、その話しは後で、うん、おいおいに噛み砕いて説明してもらうとしてぇ…」
　そう、専門用語の羅列で語られてしまうとわたしにはチンプンカンプンになってしまうのである。

「あ…はい、わたしもですよ…」
　と、美冴さんも苦笑いを浮かべながらそう続いてきた。

「え？」
　だが、そんな美冴さんの言葉には中島さんは『意外？』みたいな表情になる。

「あ、あの、アレは、あのプログラムは、わたしが大体のイメージの『申し込みフォーム』をプログラマーであった元夫に伝え具現化、あ、プログラムを作成して貰ったモノなのね……」
　だから、実は自分もそんな専門用語を並べられてしまうと分からない…
　と、そう言ってきたのだ。

「え、あ、そうなんですか」
　すると中島さんは少し落ち着き、そう応える。

「うんそうなの…」

「でもアレですよね、あの申し込みフォームの発想自体が斬新なアイデアというかぁ…」
　すると中島さんはまた目をキラキラ輝かせながら…
「あの発想がわたしには無かったわぁ…」
　と、また再び語り始めそうになった感じのタイミングで…

「あ、えと中島さん、とりあえずデモを見せてくださいよぉ」
　と、唯一、中島さんの話しを理解できる存在である越前屋さんがそう言って、上手く機転を効かせてくれた。

「あ、は、はい」

「そうよ、そう、百聞は一見にしかずだから」
　と、すかさずわたしがそう追随をしていく。

「じゃ、こちらを…」
　そして中島さんがパソコンのモニターを指指し、マウスを動かし、クリックし、説明をし始める。

　だがわたしには、あ、いや、多分、美冴さんも完全には、ううん…
　半分くらいしか理解できないでいたのだ。