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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 20 コールセンター部のあるビル

 そうよ、そう、本当に小さな事なんだから…
 わたしはそう思い、考えながら越前屋さん、美冴さんと三人でタクシーを降り、コールセンター部のあるビルのエントランスへと向かう。

 このコールセンター部のあるビルは、いわゆる賃貸ビルであり、いちおう我が『○○商事株式会社』本社関係のビルではあるのだが、他の会社も複数入居している15階ではあるが、比較的西新宿にしてはこじんまりとした賃貸雑居ビルといえる…

「ここはさぁ『○△生命』本社ビルとは全く違ってこじんまりしているけど、わたし意外に好きなのよねぇ」
 と、エントランスを抜け、エレベーターホールへと歩きながらわたしはそう呟いた。

「あ、はい、わたしもぉ、こっちがなんとなく落ち着きますよぉ」
 越前屋さんが意外にもそう応えてくる。

「え、そうなの?」

「はい、アッチでは、あんまりぃいい思い出がないしぃ、あの自社ビルの微妙な大きさが、昔の、子供の頃に見ていたヒーロー番組の悪の秘密組織のアジトに感じちゃってぇ…」
 そう越前屋さんは苦笑いを浮かべながら言ってくる。

「あらぁ、ホント越前屋さんて可愛くて面白いわぁ」
 と、美冴さんが笑う。

 だが、あの生保会社の旧態依然とした酷い男尊女卑の風潮の被害と犠牲のいくつかのお話しを彼やこの越前屋さん等々から訊いていたわたしは、それに獅子奮迅の抗いをしてきたこの彼女の呟きをなんとなく分かる様な感じがしていた…
 そして美冴さんは、いや、我が本社側のメンバー達はそれらの弊害の話しはまだ知らないのである。

「うん、わたしにはなんとなく分かるわ…
 あ、美冴さんには後で説明しますね」
 そんな会話をしていると、あっという間にコールセンター部に間借りしているフロアに到着した。
 
 そして…
「あ、越前屋さん、わたしはこのまま『コールセンター部』へ直行しちゃうから、みんなにはシステムの進捗具合の説明をお願いできるかしら…」

「はーい、わかりましたぁ」
 そう明るい返事が返ってくる。

 そう…
 この彼女の明るさが、なんとなくこのわたしの心を軽くしてくれるのだ、それに、さっきのシステムプログラムの説明なんて、今のわたしにはそう簡単にはできないから。

「あ、あとほら、例の、明後日の決起飲み会の段取りも健太達とよろしくね」



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