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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 51 蠢く想い
 
『あっちん』
 その越前屋さんのコトバを聞いた瞬間から…

 ザワザワザワザワ…
 ドキドキドキドキ…
 ズキズキズキズキ…
 と、心が騒めき、胸が高鳴り、カラダの奥深くのオンナの昂ぶりが疼いてきたのだ。

 そして覚醒しきった記憶が脳裏いっぱいに浮かんできた…

『ああ、あつこぉ、敦子ぉっ』

 わたしは昨夜そう叫び、そんな絶頂感の、いや、強いビアンのエクスタシーの海に溺れるように沈み込み…
 そのまま寝落ちしてしまったようである。

 ズキズキズキズキ…
 ウズウズウズウズ…
 そして昨夜のエクスタシーの余韻の疼きがまだ静かにオンナの奥深くで蠢いて、いや、蠢き始めてきたのだ。

「あぁ…」
 わたしは…
 結局敦子を簡単に受け入れてしまった。

 あれほど警戒をし、越前屋さんを招いた筈なのに…
 いや違う、警戒、拒否、避け、逃げる、ただ、そんなフリをしただけ、ううん、自分の心を正当化したつもりのフリをしただけなんだ。

 自分の弱さを、いいや、直ぐに気持ちの良い方に、快感に流されてしまう自分の弱さを知っているから…
 それは過去の『黒歴史』でもう十分に分かり、理解しているから…
 そんな自分の弱さに言い訳をしたかっただけだったんだ。

 そう…
 越前屋さんの存在はただの言い訳、敦子に対する当てつけでしかないんだ。

 ううん違うのかもしれない…
 敢えて越前屋さんという存在を利用して、敦子を試したのかもしれない。

 試した…

 そう敦子のわたしに対する愛情の深さ、強さ、ビアンの想いの深さ、強さを無意識に試し、測ったのかもしれない。

 なぜなら…
 今、心の奥深くに敦子への想い、思い、そして愛情が蠢いているから。

 そう…

 わたしは敦子を愛しているかもしれないから…

 だって、だって、それは…

 この今の心の騒めきが…

 高鳴りが…

 昂ぶりが…

 カラダの疼きの余韻が…

 そう心とカラダに囁いてくるから。

 敦子を愛している…
 敦子が欲しい…………………と。



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