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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4 律子とゆかり

53 彷徨う心の想い
愛しくて堪らない筈の彼、大原浩一に対して、この敦子との関係と敦子への心の中で蠢いている想いをこうして逡巡していても罪悪感が湧いてこないというこの今のわたしのこの想いに…
強烈に違和感を覚えていた。
ここ最近、いや、つい昨日まで、ううん、今でもだ、いいや、今でもの筈だ…
彼の事を想い、思うと心が揺れ、昂ぶり、焦がれ、そして嫉妬心というわたしのこの30年間の人生の中での初めての感情の感覚に揺れ、揺らぎ、狼狽え、苦悩までしていた筈だったのに…
なのに…
この違和感がわたしの心を迷宮へと誘なってくる。
そして枕元に置いてある携帯電話を手に取り、そして着信履歴の表示を見る…
昨日も、昨夜も、今朝も、彼からの着信履歴は無かった。
いくら出張中とはいえ、生保会社の秘書課長からわたしの電話の連絡は伝わっている筈なのに、しかもいちおう折り返し不要とは云ってはいたのだが、業務上のそれも『新プロジェクト』に関しての電話なのも分かっている筈なのに…
折り返しの連絡は無い。
今までは、発信履歴、つまりは彼に電話連絡の痕跡を残しておけば必ず折り返しの連絡、電話は当日にはあったのだが…
それが無い。
ましてや彼に伝わっていない筈は確実に無い筈なのだが…
全くリアクションが無い。
だが、しかし…
今朝、いや、この違和感についての逡巡をしているこの今のわたしの心が…
驚く程に平穏なのである。
今までならば、こんな折り返しが無いなんて事があったならば…
間違いなく心が激しく騒つき、ウネリ、揺れている筈なのだ。
なのに…
敦子への想いの揺らぎの方が強いのである。
ううん、なぜか、その着信が無い事自体、心が騒めかないのだ…
いや、それに対しても違和感を覚えてきていた。
え、それは、まさか…
彼への愛の想いがかなり薄らいでいるって事なのかしら?…
そう、逆にそんな違和感さえも感じてきていたのだ。
まさかそんな事は…
わたしは間違いなく彼を愛している…
それは揺るぎない事実。
だけど…
じゃあ、この今の感情はなに?
この、彼に対しての冷静な想いはなに?
そして、真逆な、敦子への想いの昂ぶりと揺れ、揺らぎ、騒めきの感情と感覚はなに、なんなの?
わたしの心は迷宮に彷徨い始めつつあった…
愛しくて堪らない筈の彼、大原浩一に対して、この敦子との関係と敦子への心の中で蠢いている想いをこうして逡巡していても罪悪感が湧いてこないというこの今のわたしのこの想いに…
強烈に違和感を覚えていた。
ここ最近、いや、つい昨日まで、ううん、今でもだ、いいや、今でもの筈だ…
彼の事を想い、思うと心が揺れ、昂ぶり、焦がれ、そして嫉妬心というわたしのこの30年間の人生の中での初めての感情の感覚に揺れ、揺らぎ、狼狽え、苦悩までしていた筈だったのに…
なのに…
この違和感がわたしの心を迷宮へと誘なってくる。
そして枕元に置いてある携帯電話を手に取り、そして着信履歴の表示を見る…
昨日も、昨夜も、今朝も、彼からの着信履歴は無かった。
いくら出張中とはいえ、生保会社の秘書課長からわたしの電話の連絡は伝わっている筈なのに、しかもいちおう折り返し不要とは云ってはいたのだが、業務上のそれも『新プロジェクト』に関しての電話なのも分かっている筈なのに…
折り返しの連絡は無い。
今までは、発信履歴、つまりは彼に電話連絡の痕跡を残しておけば必ず折り返しの連絡、電話は当日にはあったのだが…
それが無い。
ましてや彼に伝わっていない筈は確実に無い筈なのだが…
全くリアクションが無い。
だが、しかし…
今朝、いや、この違和感についての逡巡をしているこの今のわたしの心が…
驚く程に平穏なのである。
今までならば、こんな折り返しが無いなんて事があったならば…
間違いなく心が激しく騒つき、ウネリ、揺れている筈なのだ。
なのに…
敦子への想いの揺らぎの方が強いのである。
ううん、なぜか、その着信が無い事自体、心が騒めかないのだ…
いや、それに対しても違和感を覚えてきていた。
え、それは、まさか…
彼への愛の想いがかなり薄らいでいるって事なのかしら?…
そう、逆にそんな違和感さえも感じてきていたのだ。
まさかそんな事は…
わたしは間違いなく彼を愛している…
それは揺るぎない事実。
だけど…
じゃあ、この今の感情はなに?
この、彼に対しての冷静な想いはなに?
そして、真逆な、敦子への想いの昂ぶりと揺れ、揺らぎ、騒めきの感情と感覚はなに、なんなの?
わたしの心は迷宮に彷徨い始めつつあった…

